中国が進めている鉄道の高速化計画の一環として、日本の企業連合がおととし受注した新幹線と同じタイプの車両のうち、第一陣となる4両が中国に輸出するため神戸市の工場から運び出されました。
この車両は、中国の鉄道の高速化計画の一環として、おととし川崎重工業や日立製作所など日本企業6社が中国政府から受注した480両のうちの4両です。白い車体に青い線をあしらった車両は、時速200キロ台で走ることを想定して、東北新幹線「はやて」の車両をベースにしたもので、神戸市にある川崎重工業の工場では、2日、クレーンでつり上げて船に乗せる作業が行われました。この工場では、あわせて16両を製造しており、2日と3日の2日間、完成車8両が積み込まれ、今月5日、中国山東省の青島に向かう予定です。日本の企業連合が受注した480両のうち、完成車の形で出荷するのははじめの24両だけで、残りの車両は、日本の企業連合と提携する中国の車両メーカーに技術移転を行いながら、現地生産される予定です。日本の新幹線と同じタイプの車両が、中国に輸出されるのはこれが初めてのことです。しかし、小泉総理大臣の靖国神社参拝などを理由に反日感情が高まっている中国では、日本の鉄道車両の購入に反発する声もあることから、今回の出荷にあたっては記念式典も行われず、国交正常化以来最悪ともいわれる現在の日中関係を反映した形となりました。