from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

割り箸値上げ

nikkeibp.jp弁当、コンビニ業界に新たな“中国リスク”」。

原油高の影響で包装資材が全般に値上がりする中、流通、外食大手の眼前に、割り箸の値上げという新たな難題が浮上している。
ある大手コンビニエンスストアは2月下旬、店舗向けの割り箸の価格を15%上げた。「店舗の売上高の3分の1に当たる弁当類のほか、カップ麺につける必要がある。多数の商品にかかわり、オーナーのクレームの原因になるだけに避けたかったのだが」(コンビニ)とつらい表情を見せる。
関東、九州などに持ち帰り弁当チェーン「ほっかほっか亭」を展開し、全国約2400店舗で、年間3億膳以上の割り箸を渡すプレナス東京証券取引所第1部上場)も、この春に店舗に売り渡す割り箸の価格を4割上げる。
一般的に、値上げが浸透しにくい川下企業に、一挙に値上げが広がった理由は何か――。
きっかけは昨年11月。「割り箸を5割値上げする。さもなくば輸出数量を制限する」。中国の輸出会社の団体「中国食品土畜進出口商会」が日本割箸輸入協会にこう突きつけた。対象は日本で消費される割り箸約240億膳のうちの6割に当たるコンビニ、飲食店で使われる主に白樺製の汎用箸。
「割り箸のほぼ100%が中国産だから、拒否すれば、割り箸を入手できなくなる」との危機感が流通、外食企業に広がった。中国は約10年前から日本に割り箸を輸出し始め、「ここ10年で40%ほど輸出価格を下げ、市場を制覇した」(包装卸大手)。だが、価格水準は、今回の値上げで元に戻った。
中国の要求の背景には割り箸の原価上昇がある。安定供給のため中国を調査してきたプレナス商品部購買課の古賀雅也氏は、「昨年から住宅着工が増えて原木価格が上昇、割り箸の価格上昇が近いと見ていた」と証言する。
日本の消費税に当たる「増値税」が輸出品について還付される制度が廃止され、輸出価格の原価が上昇。人件費上昇、人民元切り上げも重なった。
「中国にとって割り箸の輸出価格は安くなりすぎていた」(日本割箸輸入協会の山口晴久専務)。中国政府の後押しを受けて、生産者は一致団結して輸出価格を引き上げることができた。