from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

政凍経冷

萬晩報『「政凍経冷」の警鐘』。

伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏は新春恒例の経済界のパーティーで「政冷経熱と言われていたが、いまは『政凍経冷』だ」と危機感を露にした。
先日、大手商社の現地スタッフとして20年以上も国際入札の現場に立ち会ってきた友人のS氏からこんなことを聞いた。今、日本勢は完全に欧米勢に負けている。技術でも、価格の問題でもない。中国のプロジェクト担当者がほとんど心理的に日本勢を排除しているからいくら努力しても無駄だと言う。中国高速鉄道原発など大型プロジェクトにおける日本企業の落札連敗の衝撃はそのまま企業の収益に響くものに違いない。
一方、中国側も得をしたわけではない。鳥インフルエンザがきっかけで始まった日系企業の第三国へのシフトは年々加速している。リスク分散のためにもインドやベトナムへの投資を考え直さなければならない、と筆者も日本企業の経営者から幾度となく聞いている。投資対収益からから見ても企業の長期戦略から見ても本来は中国がベストセレクトだったにもかかわらず、である。
小泉首相の総理として最初の靖国神社参拝は2001年8月13日だった。それ以来、日中両国トップの相手に対する強硬姿勢は年々エスカレートしている。それぞれ政治家としてのお家事情があることは察するが、もう少し胸襟を開き大局を見据えた長期的な視野でこのあるべからざる「コールドウォー」を早く終わらせてもらいたい。