from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

小さな政府論の見直し

財政改革→小さな政府→公務員削減という流れでいいのかどうか。
平川秀幸研究室blogで、日刊ベリタの東大の醍醐聡さんの『「小さな公務員」論の大きな誤り』という記事が紹介されていた。それによると、

日本の公務員の比重は、人数においても報酬においても、国際比較で極めて低い水準にあり、いまさら、政府や財界から言われるまでもなく、雇用面では、とっくに「小さすぎる政府」になっていたことがわかる。
・・・・
行政需要との相関関係で公務員配置が適切な水準かを見ておきたい。『総務庁史』(2001年、ぎょうせい)には、人口千人当たりの公務員数の国際比較(1998年度調査)をした資料が収録されている。それによると、 
 
日本    38人 
イギリス  81人 
フランス  97人 
アメリカ  75人 
ドイツ   65人 
 
となっている。つまり、1998年度の時点で、日本の公務員数は対人口比でみても、すでに、「少なすぎる」状況だったのである。
・・・・
「市民の需要のあるところに行政あり」のスタンスこそ、行政改革の原点であり、この原点を顧みない公務員削減論は、「改革」ではなく、「改悪」である。
・・・・ 
「公務員は倒産もリストラもなく、割安の官舎に住む。退職金や年金は民間よりも手厚い。そんなことも考え合わせ、公務員の給与を論議する必要がある」と説く朝日社説の官業性悪説は、職場でのりストラなどで鬱積した市民の不満を公務員へのやっかみに誤導することによって、維持・拡充すべき公共部門まで解体させる、「小さな政府」論を助長させる罪深い議論といわなければならない。 

小さな政に向けての来年度の公務員定員削減

定員計画が判明している主要8省庁のうちで定員削減数を示したのは国土交通省経済産業省法務省国交省は差し引き69人の純減とする計画を示した。ただ削減数は全体の0.1%にすぎない。他の2省では経産省が58人の純増、法務省は402人の純増だった。その他の省庁も「削減数」抜きの増員要求しか出していない。農水省が削減数として示した数字は現段階で明確な定年退職など61人の人数だ。

小さな政府の来年度予算要求。
郵政民営化の準備費

総務省は30日、2006年度予算の概算要求を発表した。要求総額は今年度予算比3.9%増となる18兆1768億円。郵政事業では07年4月に予定通り民営化を進めるため、新会社への移行準備費など4億円を計上。郵政民営化の是非が衆院選の争点に浮上しているが、同省は民営化が前提の政府方針に準じた。

財投

日本道路公団などの特殊法人独立行政法人向けの財投は、今年度計画比4.5%減の10兆7600億円程度。都市再生機構など住宅関連の財投が3割減と大幅に減った。地方自治体向けの財投は同5.5%減の5兆5600億円程度。要求総額は財投改革が始まった01年度計画に比べて半減しており、財投の役割低下が鮮明だ。
01年度の財投改革では、郵便貯金から財投に自動的にお金が流れ込む仕組みを廃止。財務省国債(財投債)を発行して原資を調達するほか、各財投機関には民間企業の社債にあたる「財投機関債」の発行を求めた。06年度は25機関が合計で6兆8000億円程度の財投機関債を発行する予定だ。今年度より16%増える。

ODA

外務省は6年連続で減少していた政府開発援助(ODA)について、2006年度予算の概算要求では同省分として05年度より11.9%増の5463億円を要求する。アフリカ支援拡充や国連安全保障理事会の常任理事国入りをにらみ小泉純一郎首相が増額を打ち出したことを受け、大幅な拡大を目指す。