from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

中秋節はクリスマス

JMM『「管理社会の懲りないやつら」:現地メディアに見る中国社会』から。

それにしても! 今年の中秋節で特筆すべきは、驚くべき交通渋滞であった。ここのところ、「好運北京」だとかなんとか何度も車両規制について書いてきたが、それを経た上で振り返ってみても、今年は先週金曜日あたりから中秋節シーズンの大渋滞が北京のあちらこちらで始まったのにオドロいた。
9月25日は中秋節、いわゆる「仲秋の名月」だった。とはいえ、今年はなぜだか知らないが、月が最もキレイなのは旧暦8月15日の夜ではなくて、翌々日の17日、つまり陽暦9月27日(つまりこのレポートが配信される日)の夜なんだそう。そんな話をしていたら、ある中国人の友人が「完璧に丸い月なんて見ないほうがいいのよ。世の中にはパーフェクトなものなんてないんだから」。う〜ん、哲学ですなぁ。ごもっとも。
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中秋節はもともと中国人が家族揃って過ごし、無病息災を祈る、西洋で言えばクリスマス、日本で言えば大晦日・大晦日みたいな日なわけだが、社会主義体制になってから30年あまり、中国ではほとんどきちんと祝われることがなかった。90年代になって、伝統的な中国の習慣を色濃く守り続けている台湾や香港から、現代的な文化や技術、商業が流れ込むとともに、そういったガチガチの社会主義体制で育った中国人たちのもとにも伝統的な風習が持ち込まれ、お月見団子にあたる「月餅」がやり取りされるようになった。それは日本の「お中元」とまったく同じ意味を持つ。
ただ、香港や台湾がやんわりと守ってきた伝統習慣を、中国はあっという間に爆発的な社会パワーに変えてしまった。というのも、金銭的余裕ができ、次なる豊かさを求めて社会的な人間関係を重視するようになった中国で、節句のごあいさつ、「月餅」のやり取りは非常に大事な「メンツを重んじる」商業習慣となったのだ。そして中秋節が近づくと、人々はその「メンツ」いや「月餅」を大枚はたいて買い込み、あちこちの方々へと送り届ける。このあたりは数年前のこの時期のレポートでも書いたので、覚えておられる方もおられよう。当時との違いといえば、白熱化する月餅配送
を業者に任せる場合もあれば、自分でクルマを走らせる場合が増えてきたことだ。
そうなるといけない。「アイツんところは責任者自らあいさつに来たぞ。なのに、コイツのところは配送業者か」ということになる。「月餅」おっと「メンツ」を重んじる人々は慌てて自分でハンドルを握る。さらに今年の場合、そこにここ数年ひたすら増え続けたマイカー台数が拍車をかけ、「メンツ」と「月餅」を載せて走り回る、しがらみ(&にわか)ドライバーたちのおかげで、北京の主要路は日中から酒場が盛り上がる時刻(=ご接待タイム)までにっちもさっちもいかないほどの渋滞に陥ってしまったのだ。