from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

和諧社会

中国ビジネスのススメ「明日からあんたが3Kの仕事やんなさいよ!」から。

改革開放政策は見事に効果をあげ、現在、中国は高度経済成長を続けていますが、同時に、資本主義化により、共産主義の理想からはほど遠い、階級社会が形成されつつあります。
現在の中国の人たちの階級意識は、日本人のそれとは比べものにならないほど激しいものです。
北京で生まれ育った白領(ばいりん、ホワイトカラー)の人たちが、外地人(わいでぃーれん、北京以外から来た人)とか、農民(のんみん、農民)の話をする時には、明らかに蔑みのニュアンスが感じられます。
中には「北京で起こる犯罪は、全て外地人の仕業だ」と言い切る人もいます。
確かに、外地人の犯罪率は高いのかもしれません。しかし、豊かになった北京の人たちがやりたがらない、いわゆる3K(きつい、きたない、きけん)の仕事を外地人がやってくれているおかげで、今の北京の発展があるのも事実です。
外地人を北京から追い出せ、なんて言うんだったら、明日からあんたが3Kの仕事やんなさいよ!
こうした状況を目の当たりにして、中国共産党も「和諧社会(はーしえしゃーほい、調和の取れた社会)」のスローガンの下、都市と農村の経済格差を縮小すべく、高額所得者に対する課税強化や、農業の近代化、大規模化支援など、様々な施策を行っています。
中国の3農(農業、農村、農民)政策への国家予算の投入は、2004年、3,000億元(4.5兆円)を超えたそうです。中国の国家予算規模が2.5兆元(37.5兆円)と言われていますので、3農対策費は国家予算の10%以上、中国政府がいかに都市と農村の格差の縮小に力を入れているかがわかります。