Yahoo!みんなの政治>政治記事読みくらべ『首相の「言葉」しかこの窮地は救えない=岡本行夫』から。
十数年前まで、中国人といえば粗末な服装で、国際会議でも教条主義的なことしか言わず、「やはり共産主義の国は我々とは違う、世界の田舎者だ」と見られていた。それが今では洗練された身なりと英語、そして知的成熟を見せている。国際舞台でも、日本人より彼らのほうがTPOに応じた含蓄ある発言をすることがしばしばある。同じレベルで話すことなどできないと思っていた欧米の人々が、中国を仲間として受け入れるようになった。
これは中国政府が意識的に、外国政府や議会から夥しい数の人を招き、また自国の最も優れた人材を外国に送り、洗練されたキャンペーンを行ってきた結果でもある。その点、近年の日本の最大の対外案件は靖国問題と拉致問題だった。残念ながら世界の主要な関心事とは離れており、内向きの姿勢だったことは否めない。
現在、世界は日本よりも中国の主張に耳を傾け始めている。かつての中国が「日本は戦争中にこんなひどいことをしたのに謝罪していない」と言っても、大した共感を得られなかったが、今では皆うなずいて聞くようになってしまっている。