from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

海外日本食レストラン認証事業

JMM『「スシポリス」From Kramer's Cafe』から。

日本政府が世界に“スシポリス”なるものを派遣するというニュースが地元ワシントンポスト紙でも取り上げられた。どうやら先日米国コロラド州へ出張した松岡農水相が立ち寄った日本食レストランで、寿司と韓国風焼肉が一緒にメニューに掲載されていたらしく「こんなことは考えられない。これは日本食レストランではない」と激怒したという。それがきっかけで「これが真の日本食だという基準を作る」ために海外日本食レストラン認証事業なる新規事業として現在2億7600万円の予算が農水省から要求されているという。
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農水省はひそかに今年の夏フランスに日本食査察隊を派遣してパリにある80あまりのレストランをチェックしたようだ。そこで「基準」に満たなかったのは3分の1にも達したという。失格したレストランは表に桜の正式認証マークを張ることができず、しかも日本政府支援のパリ日本食レストランWebガイドに掲載させてもらえない
そうだ。
松岡農水相によれば「日本食というのは高度に発達した芸術であり、美しくしかも本物の材料を使って訓練されたシェフが作りだすものだ」だから「我々は(海外でも)日本の食文化を守らなければならない」という。
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しかし日本政府による押し付け認証システムは日本で台頭している愛国主義の表れであり、地元の人たちが楽しめればそれでいいではないかという意見が圧倒的に多い。
彼ら曰く「日本だって外国の食べ物を日本的にアレンジしているではないか。例えばピザにマヨネーズやコーンを載せたりするのが邪道だからいけないと、他国の政府が言ったりするだろうか」や「何をもって純粋な日本食というのか。私たちはアメリカナイズされた日本食で十分なのだ。純粋な日本食を出したらきっと客は来ないだろう」や「純粋な日本食が食べたければ日本に行けばいい。全く余計なお世話だわ」。「純粋な日本食とそうでない日本食といったチョイスがあることが重要で、寛容な視点を持てばいい」や「ミックス文化やフュージョン化が世界に広がっていることを日
本人も認めたらいいのでは」といった具合だ。米国に住むある日本人は「私は純粋な江戸っ子だが、確かに米国で食べるスシは新鮮ではなく期待はずれの場合が多い。でもそれを承知で食べるのは自分だから」と。

産経新聞和食「認証」やめます… 「支援」に2億7600万円」。

農林水産省は22日、19年度予算案で認められなかった海外の優良和食店を認証する新制度について財務省復活折衝を行い、2億7600万円の全額が復活したと発表した。同制度をめぐっては、米国メディアで「スシ・ポリス派遣」などと揶揄(やゆ)されたほか、前日の自民党政調審議会でも「政府が認証するのはおかしい」などと異論が相次いだ。事業の内容は変わらず、「認証」を「支援」に名称変えし、あきれた復活となった。