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子育ての日々の断片を書き綴る

対北朝鮮で次に何をすべきか

川崎哲のブログ「軍備管理協会(ACA)の勧告「次に何をすべきか」」から。

ワシントンのシンクタンク「軍備管理協会(ACA)」のダリル・キムボール所長が、10月11日に行われた「韓米研究センター(ICAS)」のシンポジウムで、「対北朝鮮で次に何をすべきか」という勧告を発表しました。7項目の勧告の要旨を下に紹介します。
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軍備管理協会(ACA)による7項目の勧告(概要)
2006年10月11日

  1. 北朝鮮によるこれ以上の核開発を止めるために、ゼロか100かではなく、段階的なアプローチをとること。
  2. 米、中、韓、日、ロ間の調整をはかり、北朝鮮内の強硬派が挑発的な行動に出ることを防ぎ、北朝鮮が交渉に戻る誘因を高め、かつ、交渉を拒むことによる罰則を強めること。
  3. 偽札と資金洗浄問題については、二国間交渉を淡々と(ビジネス・ライクに)進めること。
  4. 北朝鮮が一定期限内に六者協議に戻らなかったり新たな実験を行うといった発表を行った場合には、安保理が「適切な」懲罰的制裁を行うこと。ただしこのような制裁だけでは北朝鮮の行動を変えることはできない。中、韓、日との協調行動、および、米国が北朝鮮の要求に何らかの形で応える用意があることを明示することが必要である。
  5. ブッシュ大統領は、北朝鮮が新たな実験を行わず六者協議に復帰することに同意する限りにおいて、米政府職員がいつどこでも北朝鮮政府職員と会う用意があることを発表すべきである。
  6. 2005年9月の六者共同声明実行のメリットを具体的に示すために、米、中、韓、日、ロは、北朝鮮プルトニウム生産を中止することに同意するならどのような北朝鮮に対してどのような協力を行う用意があるのかについて、共同で具体的な提案を行うべきである。
  7. 超党派で米国の対北朝鮮政策を検討する委員会を設置すること。

私は、かなり合理的な勧告であると思います。日本との関係で言えば、(5)日本政府が米国政府に対して直接対話を強く勧めること、(6)北朝鮮が交渉に戻り核を放棄した場合の経済協力策について韓国や中国と一緒に検討を開始し、そうした検討を行っていることを外交的にアピールすること(議員外交などの形でもよい)、(3)拉致問題など核以外の二国間問題は、現在の核危機回避の交渉とは当面切り離して進めること、などが日本と課題だろうと思います。