from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

場当たり的政策

nikkeibp.co.jp「“核ゴミ”騒動の深層 場当たり的、敗戦処理的な原子力政策を河野太郎衆院議員が斬る」。

使用済み核燃料は、原子力発電所のすぐそばの貯蔵プール中で保管しているのですが、発電所によってはこれがそろそろ満杯になりそうなところがある。そうなると原子力発電所を止めなければいけないので、電力会社は莫大な損を被ることになります。
そこで、青森県六ヶ所村に「再処理工場」を作ったんです。使用済み核燃料をどんどん六ヶ所村に運び込めば、貯蔵プールが空く。原子力発電所を止めることなく、操業を続けることができる。青森県だって、核ゴミを押しつけられるというのでは困る。だから、“再処理工場”なんですね。今、稼働に向けて「アクティブ試験」というテスト段階まで来ています。ここで何が作られるかというと、プルトニウムです。
現在、日本にはプルトニウムが国内に5〜6トン、委託処理しているものが欧州に40トンぐらいある。確か、隣の北朝鮮にあるのは10キログラムか20キログラムぐらい。北朝鮮が保有しているキログラム単位のプルトニウムを巡って6カ国協議をやっている一方で、その隣の日本は50トン近いプルトニウムを保有している。
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計画では、プルトニウム高速増殖炉の燃料になるはずだった。「エネルギー需要を2000年分ぐらい賄える夢の技術」と喧伝されていました。ところが、高速増殖炉の技術はまだ確立されたものではありません。1995年に起きた「もんじゅ」の事故、そして事故後の隠蔽工作が露見したことによって、地元住民からの信頼を失墜。運転再開のめどさえ立っていません。政府は、「高速増殖炉は2050年頃までは実用化できない」という見解を示している。本当に“夢”の技術になってしまったのです。
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つまり、何十年後に実用化できるのか分からない高速増殖炉の燃料として、プルトニウムがジャカジャカ生産をされている。じゃあ、そのプルトニウムはどうするのか。そこで、出てきたのが「プルサーマル」です。プルトニウムウランを混ぜて、普通の原子力発電所で燃やす燃料にしようというわけです。
ところがですよ、プルサーマルにも問題が起きた。ウランプルトニウムを混ぜて作った「MOX(モックス)燃料」の中に異物が混じっていて使い物にならなかったり、またもやデータが捏造されたりして、計画は遅れに遅れたんです。それでも、ようやく「プルサーマルをやってもいいですよ」という自治体合意が取れたと思ったら、今度は全国の原子力発電所で過去に事故の隠蔽があったことが次々に明るみに出た。プルサーマルも、いつ開始できるか分からなくなってしまったのです。
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メディアにも問題があるんですよ。こうした問題が一切報道されないじゃないですか。在京のテレビ、新聞、週刊誌がこの問題を取り上げようとしたら、電力会社から「スポンサーを降りる」と圧力をかけられたなんて話がごろごろしている。この政策に対する批判が封じられているのです。
経産省にしても、「なぜ、プルサーマルをやるのか」を説明するための資料を作っているのですが、貯蔵プールが満杯になりそうで困っているという点には一切触れていない。本音を覆い隠しているわけです。