from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

常識的な見方だけど

森永卓郎:小泉構造改革、郵貯・簡保は日本国債・米国債のゴミ箱と化す

財務省はなぜ郵政民営化をしたかったのか。
そこには、2つの狙いがあると私は考えている。1つは「税収減対策」、もう1つは「インフレ対策」である。
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しかし、ここに3番目のシナリオがある。「アメリカによる郵貯簡保の乗っ取り」だ。
たとえば、公開された株式のうち、半数とはいわないまでも、アメリカが約20%ほどを購入することは十分に可能性がある。
そうして経営の発言権を握れば、郵貯簡保を合わせた300兆円の使い道に口が出せるというわけだ。
そこで、アメリカがこんな提案をしてきたらどうだろう。
「こんな低金利の日本国債を運用しているのは、株主の利益にかなっていない。それよりも、金利の高いアメリカ国債を購入するべきだ」
確かに、アメリカ国債は信用調査で見る限り、ランク付けは高い。この提案を拒否することはできないだろう。
実は、アメリカは2003年で60兆円の赤字。そのうち財政赤字が45兆円にのぼり、苦しい状態である。
そんななか、2004年以降は中国がアメリカ国債を買ってきたのだが、この先はそれがあてにできないという事情がある。
というのも、中国のアメリカ国債購入の動機は、人民元をやすく抑えるためだからである。
中国は市場に介入して、ドルを購入して人民元を買いたたき、レートを安く抑える。そして、買ったドルが国債に化けていたというからくりである。
しかし、今後はそういった大がかりな介入は減ってくるだろう。そもそも、先の見えないアメリカ国債など、恐くて買っていられないというのが中国の本音である。
こうして買い手を失った国債を、郵貯が引き受ける??これがアメリカの抱いているシナリオではないだろうか。
すると、郵貯簡保から出ていった日本国債はどうなるか。おそらく、民間銀行が買い取るということなるだろう。
そうなったら、日本の銀行に新しい問題が起きてくるわけだ。
不良債権ならぬ不良債「券」問題である。