from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

米国がクシャミをしたからと言って日本が風邪を引く時代ではない

BPnet「森永卓郎:恐怖のデフレスパイラルに陥りつつある日本経済」から。

現在の日本の不況について、米国経済がダメになったから日本もその影響で落ち込んだという議論があるが、必ずしもそればかりが原因ではない。
昨年10月の貿易統計を見ても、米国への輸出額は全体の17.5%でしかない。全輸出額の6分の1である。もちろん影響は少なくないものの、だからといって「米国がクシャミをしたから日本が風邪を引く」という時代ではもはやないのだ。
最大の問題は、国内政策がまったく進んでいないことにある。このまま、解散・総選挙をにらみながら与野党が足の引っ張りあいを続けて、効果的な財政政策が下せないようならば、日本経済は間違いなくデフレに陥るだろう。おそらく今年の春には、消費者物価指数の上昇率がマイナスに落ち込むのではないか。
実を言うと、原油や穀物の国際価格暴落という追い風を受けて、今年の春先には日本の景気は戻っていくと、わたしは最近まで考えていた。
原材料価格の下落は、企業の粗利を増やすことで業績を回復させると同時に、消費者物価を引き下げることで実質購買力を引き上げるから、景気回復につながると考えていたのだ。
ところが、このせっかくの追い風は景気回復に生かされそうにない。政府・日銀の無策によって、原材料価格の下落が景気回復の方向ではなく、デフレスパイラル促進に向かいつつあるからだ。