from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

疑惑があっても平然としている

青山貞一「ラムズフェルド米国防長官のタミフル利権疑惑!?

カリフォルニア州に本拠を構えるバイオテック企業ギリアド社は、インフルエンザ治療薬として現在世界中から注目されている『タミフル』の特許を所有している。
1997年からブッシュ政権入閣までの2001年の間、ラムズフェルド国防長官はギリアド社の会長を務めており、現在でも同社の株を保有しているが、その評価額は500万ドルから2,500万ドルの間であることが、ラムズフェルド氏自身による連邦資産公開申告書で明らかになった。
申告書ではラムズフェルド氏が所有する株数の詳細は明らかになっていないが、過去6ヶ月間における鳥インフルエンザ大流行の懸念とタミフル争奪戦の予測により、ギリアド社の株価は35ドルから47ドルに急騰。これにより、すでにブッシュ政権内で最高額の資産を持つ国防長官は、少なくとも100万ドル以上資産を増やしたことになる。
スイスの医薬品大手ロシェ社が製造販売しているタミフル(ギリアド社は販売額の10%のロイヤリティーを受け取っている)で利益を得た政界有力者はラムズフェルドだけではない。
ジョージ・シュルツ国務長官はギリアド社役員として、2005年度に入ってから同社の株700万ドル分を売却している。
他にも、前カリフォルニア州知事の妻ピート・ウィルソンがギリアド社の役員に就任している。
「政界とこれほど繋がりの深いバイオ企業は他に類を見ない」サンフランシスコのシンク・イクイティ・パートナーズ社アナリストのアンドリュー・マクドナルド氏は評している。
さらに重要なことは、合衆国政府が世界最大のタミフル購入者であるという事実だ。今年7月には、米国防総省は兵士への配給用に、5,800万ドル分のタミフルを注文しており、議会も数十億ドル分の購入を検討中である。2005年度におけるロシェ社のタミフル売り上げ予測額はおよそ10億ドルで、前年度は2億5,800万ドルであった。

田中宇戦争民営化のなれの果て」。

パパブッシュ政権が終わると、チェイニーは1995年にハリバートンのCEOとなったが、それと前後してハリバートンの子会社のKBRがLOGCAPの枠組みを使い、国防総省の全体的な後方支援プロジェクトを請け負い、ソマリア(1992年)やコソボ(1999年)などの戦争で後方支援を行った。2001年にブッシュ政権が誕生し、チェイニーはハリバートンを辞めて副大統領に就任した。KBRに対する国防総省の肩入れは拡大し、今回のイラク戦争に際しては、発注の際の入札さえおこなわれず、KBRが民間受託企業の元締めとなる役割を受注した。
国防総省は、イラクにおける戦争と復興に必要な広範囲な技術を持っているのはアメリカ企業でKBRしかないため、入札をしなかったと釈明している。ところが実際には、KBRは仕事をこなせなかったばかりか、そのことに関して大した非難も受けていない。入札もせずにKBRがイラク戦の後方支援と復興事業を受託したのは、チェイニーが副大統領だったためであり、これは汚職ではないかという主張もあるが、今のところ大した声になっていない。
イラク戦争が近づくにつれ、ラムズフェルド国防長官(1960年代からチェイニーの上司で、2人は長く親しい間柄)、戦争計画を立案したウォルフォウィッツ国防副長官らネオコンの人々は「米軍は、より敏捷で少数精鋭の軍隊になる必要がある」と言い続けていたが、これは裏を返せば、軍の業務のより多くの部分を民間受託企業に発注すべきだという主張で、結果的にKBRを儲けさす方向に事態を動かした。