from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

タミフル(2)

共同通信タミフル備蓄達成は2年後 都道府県分も国が購入交渉」。

政府の新型インフルエンザ対策行動計画で2500万人分の備蓄目標が決まった抗ウイルス薬タミフルについて、厚生労働省は26日までに、政府と都道府県の備蓄分(計2100万人分)をほぼ調達できるのは、早ければ2年後とする初の見通しをまとめた。
 輸入、販売元の中外製薬との折衝で、2006、07年度に約1000万人分ずつ確保できる見込みになったため。タミフルは世界的に需要が高まっている上、備蓄目標を従来計画の約1・7倍にしたことから、達成のめどが焦点となっていた。
 また厚労省は、中外製薬との購入交渉は都道府県分も含め一括して行う方針を固め、都道府県に対し早急に備蓄計画を報告するよう要請。交渉結果を受けて来月中に購入の手続きに入り、確保分は政府と都道府県で折半する計画だ。

「はたともこ日記」ブログ 「タミフル国家備蓄戦略の真実」から。

タミフルは、スイスの製薬会社ロッシュが製造販売元とされているが、正確に言うと、ロッシュが開発した医薬品ではない。タミフルを開発したのは、米国のギリアド・サイエンシズという感染症薬を主に開発するバイオテクノロジー企業だ。1996年、ギリアド社はタミフルを開発し、同年、タミフルのライセンスをロッシュに供与した。その後のタミフルの製造・販売の責任はロッシュにあるが、タミフルの特許そのものは、今でもギリアド社にある。今年6月、ギリアド社は、タミフルに関するロッシュとの開発・ライセンス契約を打ち切りたいとし、ロッシュの米国処方薬部門ホフマン・ラ・ロッシュ社に対して、契約解除を予告する通知を送っている。
ここ数年、家禽類に鳥インフルエンザが流行し、100名を超すヒトが、同ウイルスに感染し、すでに70名近いヒトが命を落としている。現在も鳥インフルエンザによる犠牲者の報道は絶えることなく、世界中が鳥インフルエンザの恐怖におののく一方で、唯一の特効薬ともてはやされるタミフルの売れ行きは、とどまるところを知らない。ロッシュのみならず、特許を持つギリアド社の株価もうなぎのぼりだ。ギリアド社が、タミフルの開発・ライセンス契約を、ロッシュから取り戻したいと思うのも当然だ。
実は、ここに、重大な事実が隠されていたのだ。米国防長官ラムズフェルド氏が、なんとギリアド社の株2,000株を所有していたのだ。今年に入りギリアド社の株価が急騰したまさにその瞬間、ラムズフェルド国防長官は、所有株の50%を売却し、なんと百数十万ドルの利益を得ているのだ。これぞまさしく、わかりやすいくらいに単純明快な、「インサイダー」そのものではないか。絶対にあってはならないことだ。
国務長官シュルツ氏も、ギリアド社の社員。今年に入って既に700万ドル以上の株を売却している。前カリフォルニア州知事の妻も、ギリアド社の役員に就任・・・。2005年米政府は、兵士への配給分も含め、世界最大のタミフル購入者となった。エンブレルも顔負け!?タミフルほど政治色の強い医薬品もないだろう。しかし現在も、人口比率でみる世界最大のタミフル消費国は、何を隠そう日本なのだ。

nikkeibp.jp鳥インフルエンザのパンデミック・リスク

鳥から鳥、鳥から人、人から人(これは未確認)とインフルエンザウィルスが変異した場合、甚大な被害を及ぼすという予測が国連、世界銀行などから発表された。これを受け、日本でも厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部を設置し(10月27日)、「新型インフルエンザ対策行動計画」を発表した(11月14日)。
タイトルの「パンデミック」とは世界的な大流行のことであり、おおよそ10年から40年の周期で新型ウィルスが流行している。過去には、1918年のスペイン風邪(4000万人が死亡)、1957年のアジア風邪(39万人が死亡)、1968年(昭和43年)の香港風邪などが該当する。2003年には、今回問題となっている高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が流行し、ウィルスが人に感染し、死亡した例も報告された(122名発症、62名死亡)。
・・・・
米国で試算された条件式に当てはめると、日本では最大2500万人以上が医者にかかり、17万人が死亡するという。
国内では、厚生労働省が2003年10月、「新型インフルエンザ対策に関する検討小委員会」が設置し、2004年8月末に「新型インフルエンザ対策報告書」を取りまとめている。同報告書では、海外で発生した場合と国内で発生した場合など、シナリオを幾つか設け、対応状況を定めていることと、医療機関での受診患者数などを想定した。
この報告書によれば、1700万人〜2500万人が受診し、入院患者は、17万人〜53万人、死亡者数は6万9000人〜16万7000人と推計された。この推計値は、米国疾病管理センター(CDC)の推計モデルを当てはめたものであり、全人口の25%が罹患し、流行が8週間続くと仮定、一日あたりの最大入院患者数は10万1000人であると想定している。メディアで流される2500万人という数値は、最大値が使用されていることに留意が必要だ。
こうした報告書を受け、国および都道府県が5カ年計画でワクチンを備蓄することや、厚生労働科学研究費補助金などにより新型ワクチンの開発支援をすることが決定された。

国立感染症研究所感染症情報センター「インフルエンザの治療薬や予防薬はありますか?」から。

近年、インフルエンザウイルスが細胞から細胞へ感染、伝播していくために不可欠な、ウイルス表面に存在するノイラミニダーゼの作用をブロックすることによって、増殖したインフルエンザウイルスが細胞外へ出て行くことを阻害する抗インフルエンザウイルス剤が開発されました。ノイラミニダーゼはA、B型に共通であることから、A型、B型インフルエンザ両方に効果があります。現在2種類の薬剤が使用可能です。吸入薬のザナミビル(商品名リレンザ)と経口薬であるリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)は、2001年2月より健康保険の適応となり、2002年4月からはリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)ドライシロップが健康保険の適応となり、1歳以上の小児で使用可能となっています。重篤な副作用は、アマンタジンに比べ少ないとされていますが、消化器症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛など)の副作用が報告されています。また最近、リン酸オセルタミビルにおいても耐性ウイルスの出現頻度が報告されました。アマンタジン耐性、オセルタミビル耐性となったインフルエンザウイルスによる感染が容易に生じるかどうかは不明ですが、いずれにせよむやみな使用は慎むべきと考えられます。
これらの抗インフルエンザウイルス薬は、発症後48時間以内に服用することにより、合併症のないインフルエンザでの罹病期間を短縮することが確認されています。ハイリスク患者においても、抗菌薬を必要とするような合併症を減少させたという報告もありますが、合併症などの重症化を予防できるかどうかについてはまだ結論は得られていません。いずれも、医師の処方が必要な薬剤です。