from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

改憲論議

新幹線で読んだ東京新聞社説「『平和』を生きた責任 憲法記念日に考える」から。

第九九条は、前文の“平和の誓い”や第九条の非戦非武装宣言とともに憲法の核心部分です。憲法は国民にあれこれ指図するのではなく、公権力を縛るものであることを明らかにしています。
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自民党の新憲法草案は「帰属する国や社会を愛情と責任感をもって支え守る責務」を国民に求めます。
反発を警戒して草案の表現はやわらかくなりましたが、論点整理では「憲法が国民の行為規範であることを明確にする」でした。「公権力の行動規範から国民の行動規範へ」です。民主党憲法提言中間報告も同じことを言っています。
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教育現場で日の丸・君が代が強制され、愛国心教育を盛り込んだ教育基本法の改正が現実の問題となっていることを、この憲法観に重ねて考えましょう。
国家が国民の道徳観や生活の在り方を指図した、教育勅語の時代に逆戻りしかねません。
前文や第九条の改正は「戦争ができる国」の復活を意味します。勝利を目指せば軍事を優先せざるを得ないのは論理的帰結です。
憲法観、国家観の根本的な逆転換と言えるでしょう。
日本の社会では、自由競争政策のあおりで少数・異端者、弱者への寛容さ優しさが薄れています。相手の気持ちを理解しようとしないナショナリズムも台頭してきました。