from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

「父、帰る」という映画を観た

やっと秋らしい気温になった。
朝ご飯のときに、子どもが「きょうは、ご、いちだよね」と聞いてきた。「ご、いちって何?」「ご、いちでしょ」「あ〜、15日ね。いち、ご」「いち、ご」。数字に興味がでてきたようだ。何かに数字を見つけると、「いち、にー、さん、しー」と数えるようになってきた。
時間ができたので、今日も図書館に行った。内田樹さんの「14歳の子を持つ親たちへ (新潮新書)」でも読んでみようと検索して、新書コーナーに行ってみたら、子育て本が並んでいた。「頭のいい子より賢い子の育て方―アドラー博士が実践する子どもの能力の高め方 (パンドラ新書)」という本が目に止まったので、読んでみた。IQよりEQ(Emotional Quotient)、知識でなく知恵がある子に育てよということがつらつら書いてあった。いざというときに頭が働くこと、人まねでない考え方ができること、人の立場が分かることが大事。賢い子どもに育てるには、子どもを力で抑えつけず、納得させる。命令でなく、依頼する。むやみに我慢させてはいけない。今まで「早くして!」と何回叫んだことか。
図書館から帰ってきて、映画でも見に行こうかと近場の映画館情報を検索してしてみた。「容疑者 室井慎次」、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」、「亡国のイージス」、「宇宙戦争」、「マダガスカル」、「リンダ リンダ リンダ」、「奥さまは魔女」。どれもイマイチ、食指が動かない。諦めて、ビデオレンタル屋に行った。ここでも見たい映画がなかなか見つからなかった。結局、「父、帰る」というロシア映画にした。
父、帰る [DVD]
母親と祖母と暮らしていた二人の兄弟の前に突然、12年間不在だった父が現れた。帰ってきてすぐに全てを取り仕切る。帰ってきた翌日、父は二人を連れて旅に出る。帰ってくるまで何処にいたのか、なぜ帰ってきたのか、何処に行こうとしているのか、父はまったく説明しない。しかし、二人に対して、ああしろ、こうしろと命令し、「はい、パパ」と答えろと言う。兄はしぶしぶ従うが、弟は反発する。父が消えたとき、やっと弟は「パパ」と叫んだ。父の行動は説明されないまま映画は終わったが、残された子どもたちは父を尊敬する存在として記憶したに違いない。映像も素晴らしい良品の映画だった。
そう言えば、私の父親も命令ばかりしたまま消えたと思い至った。