三週間ほど前に原稿が送られてきたときに、自分のことばとして読まれてもいいように手を入れた。
手を入れすぎたらしくて、そんなに直されては困ると言われた。
面倒になったので「では、そちらのよろしいように」と最終的な文章作成を記者に任せた。
第一週はその文章が出た。
自分の顔写真の横に、私自身のワーディングとは思われないことばが「ウチダのことば」として掲載されているのを見て、気が滅入ってきた。
と朝日新聞の記者のことを批判している。かなり前のことだか、武田徹さんが逆の立場、取材する側から、朝日新聞の広報担当者のことで、
担当編集者の話を聞いて驚いたのだが、朝日の広報スタッフは雑誌が出る前にゲラを見せろと言って来たらしい。
朝日は自分の取材で相手に要求されればゲラを見せているのか? なんらかの特殊な条件(たとえばコメントだけで構成するような、つまり取材を受けた人があたかも自分で語ったように構成する場合は、記事自体の著作権が本人にあると思うので、ゲラを見る権利も当然被取材者側にあると思う)以外ではそれはしていないはずだ。
と批判していた。マスメディアの人達のレベルが低下してきているということか。