from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

国策の犠牲

東京新聞足利事件、冤罪の原因解明要求へ 菅家さん交え弁護団会議」。

栃木県足利市で1990年、保育園女児=当時(4)=が誘拐、殺害された事件で無期懲役が確定し、再審請求中の菅家利和さん(62)は5日、東京都内で、釈放後初めて開かれた弁護団会議に出席し「本当にありがとうございました。再審開始に向けて頑張りますので、よろしくお願いします」とあいさつした。
 この日の会議では、再審開始決定に備え、今後の弁護方針などを検討。捜査段階の精度が低いDNA鑑定結果のほか、菅家さんに虚偽自白を強いた厳しい取り調べなど「冤罪」を生んだ原因について詳細な解明を求めるとみられる。

桜井昌司『獄外記』:再び池本寿美子判事」から

昨日、日大法医学部の押田教授を訪ねて、足利事件を無下に棄却した池本寿美子判事の話にもなった。
池本判事は、その後、検察官の求刑を上回る量刑判決を下し、検察に厳しいしっぺ返しをしている。
この検察官、転勤させられたらしいが、もう関東には戻れない島流しだそうだ。
やるもんだねぇ。だけど、菅家さんに行った判断は消えない。今後裁判官職を続けられるならば、ぜひとも事実認定において検察や警察を盲信したり、科学的事実を無視するようなこては止めて欲しい。

大石英司の代替空港:足利事件は国策捜査だった」から。

当時、菅谷元受刑者の捜査を極秘に進めていた県警は、地元メディアに一切悟られることなく逮捕準備を進めていたのに、なぜか中央の警察庁から捜査情報が複数の全国紙にリークされる。それをリークしたのは、当時、警察庁刑事局捜査一課長・山本博一、警察庁刑事局長・國松孝次の二人です。
警察庁は、当時導入を計画していたDNA分析機の予算要求を大蔵省に要求して一度拒否されていた。彼らは、DNA検査の威力を国民に認知させるための大きな事件を欲していた。
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*↓所で、本事件に関するこんな秀逸なルポジュタージュ(pdf)があります。
http://www.gfighter.com/images/shop/19DNA.pdf

JanJan報道の自己批判を忘れた足利事件の社説
田原総一朗:検察の言いなりになるメディア」から。

では、なぜ新聞やメディアは報じなかったのか。私は、そのことについて報道関係者に「なぜ書かないのか」と問うた。すると、「圧力がかかったからだ」と言う。私が重ねて「そんなことで検察の言うことをきくのか」とたずねると、「きく」という。なぜなら、検察の言うことをきかなければ、記者は一切情報がもらえない。だから書かない。つまり、新聞やテレビは検察に「書け」と言われれば書き、「書くな」と言われれば書かないのだ。