読売新聞『小沢氏起訴相当 「公判で真相」求めた審査会(4月28日付・読売社説)」』
the-journal.jp『郷原信郎:検察審査会の「起訴相当」議決について...とんでもない議決、あぜんとした』から。
結局、こういう事態に至った経過を全体として振り返ってみると、何と言っても検察の捜査に無理があったということだと思います。その捜査の無理が、こういう形で跳ね返ってきたということだと思います。大がかりな捜査を展開して、捜査をどんどん前に進めようとマスコミが煽ってきたために、世の中に、小沢氏が起訴されないとおかしいという、素人的な、庶民的な不満を生じさせた。そういう状態で事件を検察審査会に持っていけば、市民感覚では、起訴すべきだと、何でこれで不起訴なんだという意見になってしまうということです。しかし、処分するのは検察です。検察が果たしてそんな素人的な感覚だけでまともな処分ができるのだろうか。2回の起訴相当議決で強制起訴ということになれば、検察の処分の問題ではありませんから、別の問題になりますが、今回の起訴相当とされた被疑事実を起訴することは、尐なくとも、検察が行う刑事処分としてはまったく無理だと思います。
それからもう1つ、今回の検察審査会の議決書を見て問題だと思うのは、審査申し立て人が甲となっていて、匿名だということです。なぜ審査申し立て人の名前を記載しないのか。これはまったく理解できないです。