from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

格差は議論されない

ITPro「情報技術は社会格差を助長していないか」から。

ニューヨーク市の800万人のうち150万人が、連邦政府の決めた貧困層以下の生活をしています。フードスタンプ(食料品を買うときに割引になったり無料になったりするクーポン券)をもらっている人はなんと100万人。もらってはいないが、受け取る資格のある人が他に70万人もいるそうです。
ニューヨーク市に住んでいる子供たちは半数しか高校を卒業しません。大学となるともっと狭き門です。アメリカの大学の授業料は日本よりもかなり高く、中間所得の人でも子供を大学に通わせ、卒業させることは大変です。有名私立大学ともなれば、授業料は年間数百万円します。先日、私の友人の御子息がニューヨーク州立大の医学部を無事卒業されました。友人であるお父さん曰く、「卒業までざっと7000万円掛かりました、これで一息つけます」。この方は日本人ですが、マンハッタンのビルのオーナーで資産家です。
このようにニューヨークにおいて、教育の機会均等は完全に失われています。富める者は代々豊かになり、貧困層は地獄からなかなか脱出できません。本当にGOD BLESS AMERICAなのでしょうか。
ニューヨークに住んでいて興味深く思うのは、この格差問題がまったく議論されないことです。日本とは大違いです。次期大統領候補者たちは毎日、アメリカの各地で演説をしていますが、格差問題に触れる人はほとんどいません。先のニューヨークタイムズは、数ある候補者の中でエドワード上院議員だけがこの問題を指摘している、と書いています。格差はあって当然、いい生活をしたかったら自分の力ではい上がれ、ということなのでしょう。ただ、その一方、忘れ去られ捨てられた沢山の人たちが存在しています。