from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

社会公平・正義の維持

中国ビジネスのススメ『第二幕に入った「中国先富論劇場」』。

北京で開催されていた、今年の全国人民代表大会全人代)は、16日に閉幕しました。今年の全人代の大きなテーマは、「民生問題の改善」と「社会公平・正義の維持」でした。
「民生問題の改善」の具体策としては、農業、農村、農民のいわゆる「三農問題」解決のための財政支出を、前年比さらに15%増加させ、農村の医療、教育、社会保障などに充てることにしました。また、土地の強制収用、立ち退き問題や、環境汚染問題についての対策も徹底することにしました。
「社会公平・正義の維持」については、都市と農村、地域間の発展不均衡の是正、個々人の収入格差の是正、共産党幹部による職権乱用や汚職の根絶、などが重点項目として挙げられました。
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中国全体を同じ速度で豊かにするのは無理だと悟った訒小平が、「先冨論」に基づく改革開放政策を始めてから28年。「中国先富論劇場」はようやく「先に豊かになれる者から豊かになれ」という第一幕から、「豊かになった者の冨を、貧しい者に分配せよ」と題された第二幕に入ったようです。
こう言うと、中国共産党の現執行部が訒小平の遺志を継いで、満を持して第二幕に入ったように聞こえますが、実際は民衆の不満が爆発するのを防ぐために「第二幕に入らざるを得なかった」というのが正しいのかもしれません。