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子育ての日々の断片を書き綴る

ライブドア事件(4)

MIYADAI.comライブドア事件が問う「日本は本当にアメリカ型の市場システムでいいのか?!」

早稲田大学の上村教授は、今回の事件はライブドアという一企業の問題で はなく、日本の証券市場の監視体制の問題点が顕在化したケースと説く。アメリカ式 の原則自由の市場制度を導入した以上、本来日本はアメリカ並の厳しい市場監視シス テムを同時に整備しなければならなかった。しかし、自由化推進の掛け声や景気回復 を求める声に押され、日本では規制緩和ばかりが先行し、市場の監視システムがこれ に追いついてこなかった。今回の事件は規制緩和ばかりを優先させたことの当然の帰 結だったというのだ。
実際日本の市場監視システムはアメリカの足元にも及ばないほど甘い。アメリカではSEC(証券取引委員会)が、盗聴やおとり捜査などの強大な捜査権限に加え、やま しい行為の一切合切を許さない包括規定などが整備され、市場の公正さを乱す行為に 対しては極度に厳しい措置が取られる。原則自由にはそのような強大な監視システム が前提となるが、日本ではその点が余りにも未整備だというのだ。
また、そもそも日本がそのようなアメリカ式の市場制度に既に舵を切っていること を、私たち日本人の多くがどれほど認識しているかについても疑問が残る。ヨーロッ パでは市場の節度を重んじる立場から、アメリカとは一線を画し、一定の規制を残す 道を選択しているが、果たして日本は意識的にアメリカ式を選択したのだろうか。