from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

思いやり予算とホワイトカラー・エグゼンプションの原点

月刊現代2006年12月号『外務省「犯罪白書」6 「沖縄密約」という大罪―日本を奇妙な国家にした原点 西山太吉毎日新聞記者が語る35年目の真実』(佐藤優)から。

佐藤 西山さんがスクープされた「400万ドル」は氷山の一角に過ぎなかったわけですね。吉野さんは沖縄返還協定自体が大きな密約だったといっておられました。
西山 そのとおりです。協定のなかには沖縄を取り戻すためにやむを得ないという性質の名目はあったとしても、このときの密約が日米関係のその後に落とした影は、いまの日本に非常な重荷となっている。あまりに大きな拘束をもって、日本をがんじがらめに縛りつけてしまった。やはり原点なんです。

月刊現代2006年12月号『平成の政商・宮内義彦5 社員が過労自殺! 宮内流「規制緩和」の無惨』(森功)から。

ホワイトカラー・エグゼンプションは、オリックス会長の宮内義彦が、心血を注いできた労働の規制緩和の集大成ともいえる。
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労基法が、企業の行き過ぎた営利主義によってもたらされる労働者への過重負担を防ぐ目的で設けられているのは、言うまでもない。
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ホワイトカラーにそんな保護は必要ない、というのが規制改革会議、通称「宮内委員会」の主張だ。米国でこの制度を取り入れている企業では、労働時間の制約がない代わり、勤務形態も自由。もっぱら自宅を仕事場にし、会議のときだけ出社する、というエリートサラリーマンもいるらしい。そのほうが労働効率アップになるそうだ。
例によって、宮内委員会の主張は、この米国流に倣え、というわけだが、日本とは企業文化も労働環境もまったく異なる。そもそもホワイトカラーの定義があいまいこの上ないのだ。
「日本では工場などで働く以外の労働者をホワイトカラーと呼んでいます。全体で半分以上の労働者がこれにあたる。しかし、規制緩和ではまずは制度を導入することが先決。肝心のホワイトカラーの定義は、これからkめればいいというやり方です。だから、企業の論理でどうにでもなるのです。規制緩和論者は口癖のように『仕事のできる人の働く時間は1時間か2時間でよくなる』と言う。でも実際そんなことになるはずがない」