from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

耐震偽装(11)

JANJAN耐震偽造問題をどう見るか(1)公的住宅政策からの撤退と規制緩和が背景」から。

日本の公営住宅に住むには、相当高い倍率に当たらなければならない。しかも、所得制限がある。家賃も高い。公団住宅都市再生機構)の家賃も高いですね。だから、持ち家・分譲マンションに向かわざるを得ない。安くなければ買えないし、売るほうも競争があるので安く造って売る。
以前からある欠陥住宅問題というのは、「床が傾いている」、「雨漏りする」、「雨戸が閉まらない」、「カビが生える」とか深刻な問題で、それが広がっている。
欠陥マンションも同じことだが、その間に強度計算や建築確認申請などの複雑な要素が入り込んでいる。だから別の特殊な問題のように思われている人もいるが、本質は同じことです。私は、この問題は、市場原理の住宅政策。自助努力の住宅政策の産物だと思っています。この点は、皆あまり言わないのが残念ですが。
もう一つは、民営化・規制緩和の流れです。政府は、都市計画の用途規制にしてもどんどんと規制緩和をやってきました。その一環として建築基準法を改定して、建築確認の民営化といいますか、民間企業でもできるようにしたわけです。小泉首相は、「民でできることは民で」といいますが、基本的に民にできないことを民に任せているというのが実態だと思います。
私たちは、これは問題だと言ってきました。しかも、今回の事件でわかったことは、監督官庁・自治体の職員が確認される側に天下っていることです。これでは、なれあいも起こるし、予想されたわけです。この二つの問題が重なり合い、起きていると考えています。

JANJAN耐震偽造問題をどう見るか(6)神戸市の誤り

阪神大震災に話はもどりますが、1974年京都大学大阪市立大学が神戸市の委託をうけて都市計画の前提となる地盤の研究をおこない、神戸市に答申しました。近い将来、必ず大地震がおこる。激甚・甚大な被害が予想される。今からその対応をすべきだと答申しました。
そしたら、当時の宮崎市長とその関係委員会は、震度6から7の地震に備えるためには、莫大な予算がいるとして、想定震度を5.5に引き下げてしまった。大地震がくることを隠し、自治体の構築物や民間の建物を耐震強度震度6から7で補強や新築の基準にしなかった。
阪神大震災のときに、火災がかなりの件数ありましたが、耐震貯水槽が壊れて水がないわけです。耐震貯水槽がなく火事を消せなかった。それで被害が拡大していったわけです。今回の耐震偽装問題でマンションの強度を落としたが、すでに神戸で行われてきたことだ。
そのために多くの人々が亡くなった。私は、もう一度、神戸市の責任を追及しなければならないと思っています。この日本という国は、国民の生命・財産を守るという立場に立っていない。中央政府もそうだが、地方自治体もそうだ。神戸市は、神戸市株式会社といわれ、市民の生命・財産を守ることより、金儲けを先行させてきました。