from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

ホワイトカラー・エグゼンプション

nikkeibp.co.jp『日本的経営は解体の最終局面へ「残業代11.6兆円が消失」と試算した牧野・日大経済学部長が斬る』。

70年代の半ばあたりから、いわゆる「新自由主義」が台頭。とにかく、すべてを競争に任せておけばいいという考え方が広まっていく中で、労働分野でもそういう議論が出てくるようになった。国際的な流れとして、労働者を守る規制、労働者保護政策に対する見直しがずっと進んでいたのです。
日本では、90年代の半ばあたりからそうした動きが顕在化していますよね。これまでとはがらっと違う労働環境が作り出されてきている。その背景には、グローバリゼーションや長期不況の中で、日本が国際競争力を維持・向上するという課題があった。経済界がしょっちゅう言ってきたのは、「高コスト構造」です。それは、ずばり人件費のことを意識した言い回しだったわけです。
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現在の労働法制改革には2つの流れがあります。1つが、労働基準法の適用を外すという「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」。もう1つは、労働契約法制という新しい法律を作ることです。両者はアプローチとしてはかなり異なっていますが、根っこは同じで、労働者を保護するための規制を外していこうという使用者側の論理です。
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残業という概念がなくなるばかりでなく、そもそも労働時間という概念が希薄になる。労働時間ではなく成果で計れるような職種は全部そうなってしまう。サービス残業なんていう概念も消えてなくなる。もちろん、過渡的な措置は講じられるでしょうが、突き詰めていくと、総額で最大11兆6000億円もの“残業代”が消失するというのが私たちが行った試算の結果です。