from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

鳥から人へ

ぺきん日記」より。

先日出張で出かけた遼寧省のある町などは、はっきり言って封鎖状態でした。町に入る幹線道路を地元の公安当局が通せんぼしているのです。2年半前にSARS(新型肺炎)が流行した頃の、北京みたいでした。
でも、こんなニュースはあまり公けになっていません。北京周辺でも、養鶏場の鶏が全滅したような噂は耳にします。
中国当局の公式発表でも、ニワトリなどへの感染は、中国の多くの地域に広がっているようです。「どこどこの省で何十万羽のニワトリを処分した(から大丈夫)」というニュースは、かなり流れていますし、北京市でも感染を防ぐために、伝書鳩の利用を自粛するように呼び掛けたり、鳥の巣を取り払ったり、公園の鳩や水鳥を"間引いたり"し始めているようです。
私はこの1週間で3回ほど日本風の焼き鳥屋で一杯やっていましたが、北京の人たちは鶏肉を食べることを自粛しているようです。何となくKFCのお客さんも少なくなっているように感じます。
ニワトリが感染している分には、まだ心に余裕もあるのですが、中国では人間も感染し、更に人間から人間に感染しているのではないか、と言う疑いが持たれています。
ヒトからヒトへの感染の発表も、もしかしたら、そう遠くないかもしれません....そうなると何だかSARS(新型肺炎)の頃を思い出してしまいますね。日本の本社から帰ってくるな、とか、帰国しても1週間はホテルに待機しろ、とか言われたり、中国帰りの子供が日本の病院で診察を拒否されたり、日本の学校でバイキン扱いされたり.....また、嫌な思いをすることになるのでしょうか.....

「在上海日本国総領事館メールマガジン」から。

11月16日の衛生部の発表によりますと、国内で鳥インフルエンザウィルス(高病原性H5N1型)に感染した男女各1人と、感染の疑いのある女性1人を確認したとのことです。3名の内、女性2人は既に死亡しています。死亡した1人は安徽省安慶市に住んでいた24歳、女性の農民で、11月1日に発病して10日に亡くなっています。発病する1〜2週間前に家で飼っていた鶏とアヒルの死骸に触れたとのことです。この患者からはH5N1型鳥インフルエンザウィルスが確認されています。もう1人の死亡者は、10月27日付及び11月15日付の注意喚起でも触れた湖南省の12歳の女性で、鳥インフルエンザウィルスの感染が強く疑われています。男性の感染者はこの感染疑い例の女性の弟(9歳)で、現在は回復しています。回復後の血液検査で、抗H5N1型鳥インフルエンザウィルスウィルス抗体が発病当初より上昇していることから感染が確定されました。
今回、中国国内での鳥インフルエンザウィルスのヒトへの感染例が初めて確認されました。しかしこれらは他の東南アジア諸国での感染例と同様に、鳥からヒトへの感染です。ウィルスが変異を起こした結果のヒトからヒトへの感染ではありません。
今までと同様に日常生活ではうがいや手洗いを励行し、市場などで生きた鳥の側に近寄らないことが大事です。また、トリ肉はよく火を通し、卵もよく洗って加熱調理してください。

ついに鳥から人への感染が確認されたが、人から人への感染ではないということで、鶏を飼っている近辺以外、騒ぎにはなってはいないようだ。