from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

歴史の曲がり角

nikkeibp.jp立花隆:薄れ行く記憶と歴史認識、大日本帝国滅亡60年の意味」から。

いくつかの歴史の曲がり角において、ときの政治権力を握っていた愚かな政治指導者たちの愚かな政治選択によって(同時にそのような政治権力者に権力を握らせたままにしておいた国民の愚かな選択によって)、我々の歴史はあのような展開をたどってしまったのである。それは決して動かせない宿命などでは全くなかった。
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小泉首相は、あとは小泉改革の総仕上げだと称しているが、小泉改革のほとんどが中途半端な仕上がりで、総仕上げどころか、総破綻に終わる可能性も大だし、小泉首相が頼りとしてきたアメリカのブッシュ政権は急速に、アメリカ国内での政治基盤の安定性を失いつつある。
曙光が見えかけている日本経済にしても、緊急措置として行われてきた日銀の量的緩和措置ですら、解除したくても解除できない状態が続いている。──下手に解除すると景気の足を引っ張りかねないし、解除が遅れると、過剰流動性がアンコントローラブルになってインフレがおきかねない。
外交課題も暗礁に乗り上げたままのものが多く、財政改革も、増税以外決め手がないという状況に追い込まれており、見かけ上安定しているかに見える05年体制、意外に突然の破綻に見舞われる可能性大と私は見ている。

nikkeibp.jp森永卓郎:報道の間隙を縫って“平成版・治安維持法”が成立する!」から。

前原氏は、代表就任前は、民主党の「次の内閣」の防衛担当大臣であった。彼は、「戦力の不保持」を規定した憲法9条第2項の改正を以前から表明しており、「集団的自衛権」についても「行使するべき」という考えを述べている。
集団的自衛権」とは、要するに「仲間がやられたら、やり返す」ということ。もっと簡単にいえば、アメリカが戦争をしたら、日本も一緒に戦争に行くということなのである。
前原代表の考え方は、自民党よりも右寄りの政策といっても差し支えない。そういう人物が野党第一党の代表に選出されたこと自体、世の中の「空気」が、そのまま民主党の代表選挙に及んだことを感じさせる。
こうした背景のもと、日本は再軍備への道をまっしぐらに進んでいる。
10月28日には、自民党が「憲法改正草案」を決定。「戦争放棄」を定めた第9条第1項は維持するものの、第2項を削除して「自衛軍」を保持することを明記している。
国軍としての地位を与えられた「自衛隊」、いや「自衛軍」が、いつの日か戦争に巻き込まれていくのは、もはや時間の問題といってよい。

孫子

日に千金を費やして、然る後に十万の師挙がる。
百戦百勝は善の善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するが、善の善なるものなり。
上兵は謀を伐ち、其の次は交(まじ)わりを伐ち、其の次は兵を伐ち、其の下は城を攻むるなり。
善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも戦うに非(あら)ざるなり。