from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

構造改革を支持する

へちま亭」に

へちまはチャランポランだ。普段なら参議院の議会中継など見ることは ない。しかし、昨日の郵政関連法案の採決の中継は見た。それだけの価値 はあった。結果は否決だったが、賛成演説をぶった世耕弘成議員の明快な論旨に、へちまは改めて構造改革の緊急性を感じた。
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へちまは構造改革を支持するが、すべてはあなたの一票次第だとしておこう。

とあった。郵政民営化に反対している人だって、構造改革に反対の人はいないと思う。構造改革のやり方を問題にしているんだと思う。財投改革がなされたにもかかわらず、郵貯簡保資金財政投融資として公団や特殊法人に流れている。公団や特殊法人は官僚の天下り先になっていて、非効率な運営がなされている。自分たちの利権を守りたい郵政官僚や郵政族議員がいる。これらをなんとかしてもらいたいと郵政民営化に反対している人だって思っている。小泉さんがいう民営化でそれらの問題が解決できるとは思えないし、銀行の不良債権処理時のように、アメリカの企業に資本を吸い取られてしまうことを懸念しているんであって、郵政民営化反対=構造改革反対でないはず。
衆院選挙で、郵政民営化の是非を問うというのも問題だ。
毎日新聞の「お門違い「郵政解散」=古賀攻(政治部)」から。

憲法59条は、衆院が可決した法案を参院が否決した場合、衆院が3分の2以上の賛成多数で再び可決すれば成立すると定めている。このため、郵政法案への賛成議員を3分の2以上に増やすことを目指して解散する、という理屈が成り立たないわけでない。しかし、この目標を達成するには、今より80人くらい賛成派を増やす必要があり、「3分の2条項」を根拠にした解散論は屁(へ)理屈に近い。
むしろ、参院否決で衆院解散に突き進もうとする小泉首相の本音は、衆院選で「国民の支持は郵政民営化にあり」と言えるだけの結果を得ることによって、参院側に圧力をかけたいということだろう。
解散のない参院は、2年後まで議員の顔ぶれが変わらない。しかも、半数ずつしか改選されないから、参院議員の入れ替わりを待っていたのでは、小泉政権が終わってしまう。そこで参院が再び法案を否決することのないよう、衆院選を通して間接的に参院の意思をしばるという発想だ。
一見合理的に思えるこの解散戦略も、二院制の意義という観点で考えるとおかしい。一方の院の選挙で示された「民意」を、もう一方の院は半ば自動的に受け入れるべきだとの考え方が根底にあるためだ。
衆参が常に別々の意思を示していたら、国政は何も動かなくなる。しかし、憲法が参院に期待しているのは、衆院に対する「補完と抑制」だ。独立した意思形成を放棄し、政局の安定を最優先にするような参院なら必要はない。さらに、今回のようなケースで衆参のねじれを解消しようとすると、すでに相当進んでいる「二院制の空洞化」が極限に達することだろう。
そもそも郵政民営化をめぐる混乱の原因は、自民党内のお家騒動にある。小泉首相が熱心な民営化論者であることは百も承知でいながら、この党は小泉氏を3回にわたって総裁に選び、その人気を利用して生き延びてきた。法案が国会に提出された段階になって「おれたちは了承していない」などといきり立つのは、自民党の後進性を表している。敗者は勝者に従うのが、基本ルールのはずだ。
同時にこの事態は、党のトップとして小泉首相自身が党内の合意形成に失敗した結果でもある。
党内基盤が弱かった首相は、野党から道路公団民営化などについて骨抜き批判を受けると、「自民党抵抗勢力は協力勢力に変わった」と強弁し、03年9月には潜在的抵抗勢力を束ねる青木幹雄参院議員会長の支持を受けて総裁再選を果たした。自民党の体質改善が進んでいないにもかかわらず、外向けに構造改革を看板にしてきたツケが一気に噴き出したと見るべきだ。
私は郵政民営化は必要だと思っている。だからこの問題で国民に信を問いたいという首相の気持ちが分からないでもない。しかし、「首相に解散されたら困る」という消極的理由での賛成議員を多数抱えたままの自民党が、郵政民営化を争点にした衆院選の主体足りうるかというと、疑わしい。もし、その結果を首相が「民意」と呼ぶなら、一種のトリックだ。