園田茂人さんの「対外認識の愛憎二重心理とどう向き合うか」から。
強く豊かな国に対する強烈な憧れと、その裏側にある憎しみや妬みの感情。毛沢東時代には、前者の感情を押し殺し、後者の感情を社会主義建設に利用してきた。トウ小平の時代になり、改革開放が始まって、前者の感情は肯定されるようになったものの、後者の感情は時に意図的に、時に無意識のうちに抑圧されてきた。
ところが、ちょっとした拍子に憎しみや妬みの感情が噴出することになる。社会が急速に変化し、人々がみずからの感情をコントロールするのに困難を感じる時、この愛憎二重心理は過激な形で、集合的に表出されることになる。
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もっとも厄介なのは、「強い中国」のイメージを中国のメディアが流し続けることが、今度は日本の対中感情を過度に刺激し、中国警戒論が強くなる可能性があることかもしれない。警戒感が相手の警戒感を生むという、悪循環が生まれてしまうかもしれないからだ。
これは、去年のアジアカップでの「中国人サポーターによる反日行動」に関連して書かれた文章のようだけど、これは今回の反日デモにもそのまま当て嵌まりそうだ。