from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

Sankei Webに上海市当局の本音らしき発言が載っていた。

中国上海市外事弁公室の楊国強主任は17日、前日の上海での反日デモについて「(国際社会での)上海のイメージが相当傷ついた。最も損害を受けたのは上海市であり、望んでいなかった」と述べ、破壊活動が同市の経済発展にマイナスになるとの認識を示した。
隈丸優次総領事が17日、総領事館などの被害への謝罪と賠償を求めた際の発言。楊主任は「違法デモだったが、制止すると群衆が感情を高ぶらせる恐れがあった。警備は1万人を動員し全力を尽くした」と説明し、謝罪はしなかった。
日中関係筋は、17日に会った市当局者の話から「(破壊行為について)申し訳ないとの態度はうかがえたが、中央政府に『歴史認識問題をめぐる日本の誤った態度』を日本側に指摘し、強い態度を示すよう求められている」との印象を受けたという。(共同)

NHKは、

日中外相会談の中で、李肇星外相は「中国政府は、これまで一度も日本国民に申し訳ないことをしたことはない」と述べるなど、反日デモについて、終始、強硬な姿勢を崩さず、謝罪や補償を行う考えは示しませんでした。その上で、李肇星外相は「日中関係は、このままでは、地滑り的に悪化していく」として、反日デモが広範な国民の意思の現れとの立場から、日本政府に対し歴史問題などでより前向きな方策を示すよう求めました。しかし、その一方で、中国では中国中央テレビ反日デモに関連して「社会の安定を維持するために重要なことは、直面する問題を法律に基づき、秩序を守って処理することだ」と伝えるなど国民に対しては、社会秩序を守るよう呼びかけるキャンペーンが始まっています。これは、反日デモが過激化すれば国際的な信用を損なうばかりか、経済成長にも深刻な影響が及びかねないという危機感が、中国政府の内部にあるためで、今後、政治キャンペーンや取り締まりなどさまざまな手段で反日デモを収束させる対策をとるものと見られます。

と報じた。こういうニュースは大きく取り上げられていない。

NHKは、また

EUは先週末、外相による非公式会合を開き、1989年の天安門事件以来続けている中国に対する武器の輸出禁止を、今年6月をメドに解除するかどうかについて意見を交わしました。この中で、中国が、台湾の独立阻止のための武力行使に法的な根拠を与えた「反国家分裂法」を制定したことや、中国国内の反日デモで日本との緊張が高まっていることなどから、周辺国の理解を得るのが難しくなっているとして、早期の禁輸解除に慎重な意見が相次ぎました。EUは、事態を打開し禁輸を解除するには、中国が思想や信条の自由を保障した国連人権B規約の批准や、天安門事件で拘束した政治犯の釈放など、人権問題でさらなる対応をとる必要があるとして、こうした点で前向きな対応がなければ解除できないとする新たな方針を固めました。このため、メドとしていた今年6月までの解除は一段と難しい情勢となっています。さらに、この夏以降は、この問題でもっとも慎重な立場をとるイギリスが議長国となるため、今年中の禁輸解除も難しいという見通しも出始めています。

と報じている。武器でお金儲けをしようとしてたけど、どうやらまだ問題のある国だから止めておこうということか。台湾の首脳が反日デモによる日中間の関係悪化を好感しているとの報道もあった。

中国情報局では、

17日、日本の町村信孝外相と中国外交部の李肇星・部長の日中外相会談で、新華社などが発表した会談のもようが、インターネットなどを通じて、大々的に報じられている。それによれば、町村・外相謝罪と賠償を強く求めたことには触れられず、主に、李・部長の発言によって構成されている。
その中で、町村・外相の発言として伝えられているのは、「日本は近代の歴史において、中国に侵略、そのことで、中国人民に大きな損害を与えた。これに対して非常に心が痛むと同時に、改めて深い反省と謝罪の意を示す」というもの。また、このほか、反日デモのことと同時に、台湾問題も重要な焦点、と報じ、そのもようを伝えた。
日本でも、この外相会談をめぐる日中の報道の違いが注目されている。一部では、中国政府がデモの収束を早めるために、外相会談の内容として、日本の外相が侵略戦争に対して再度謝罪したことを対外的にアピールしたものと見られている。

と。

知らなかったが、先日こんな事件が起きていた。

【北京=野口東秀】中国浙江省東陽の村で十日、化学工場の公害問題をめぐり、農民ら三万人を超える住民が暴徒化し、警官などの治安部隊と衝突した。衝突で少なくとも住民二人が死亡、双方に負傷者が多数出た。十二日付香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが住民の話として報じた。
同紙によると、現地では四年前から、化学工場の操業が相次ぎ、最近は農作業ができないほど水や大気の汚染が深刻化。住民たちは先月末から工場近くの道路を封鎖して抗議を開始し、これを受けて地元当局が十日、住民の強制排除に出た。この際、住民を棒でなぐるなどして数人がケガをし、これに怒った住民が村役場を取り囲み、役場の車両五十台以上を転倒させるなど暴徒化した。
中国では各地で公害問題が深刻化しているが、これほど大規模な暴動に発展したのは初めて。中国メディアは今回報道を禁止されているという。

来走日記には、

ほんの一握りの不心得者の愚かな振る舞いが海外でどう伝えられてしまうのか・・・
今まさに、日本人の民意も世界から問われているのだと思うのです。
私は、落ち着いて冷静に対応すれば、必ず世界から日本は支持されると考えています。

とある。その通り。

河北新報ニュースによると、

【ニューヨーク17日共同】米誌ニューズウィーク(電子版)は17日、中国の胡錦濤国家主席が、北京で9日に起きた反日デモの直後に、共産党政治局常務委員会を招集、デモ拡大への懸念を表明していたと報じた。情勢に詳しい中国筋の話として伝えた。
同誌によると、胡主席の最大の懸念は、今回のデモが1989年に起きた天安門事件の再来のような形になることだった。主席は、常務委員会の場で「(デモ拡大は)不満を表明する口実を反体制派に与えるだけだ」と話したという。
同誌は、胡主席の懸念は「遅すぎた」と指摘。反日デモがその後、上海や広州などに拡大したことを紹介した。
同誌の報道が事実ならば、胡錦濤政権が予期していなかった方向に事態が進んでいることを意味する。

だと。

朝日新聞によれば、

中山文部科学相は18日、都内で講演し、中国の反日デモに関連して「『愛国無罪』といえば何でも許されるような愛国主義反日教育の成果が今まさに出ている。天安門事件以降、国内の不満を外に向けるためにそういう教育をしてきた成果だ」と中国の教育を批判した。
・・・・
「日本は一億総ざんげという言葉があり、『みんな悪かった』と反省している。中国は『A級戦犯という悪い人たちがいた。一般の日本国民は悪くなかった』と理解していたのだろうが、日本はA級戦犯も死んだら仏様。そこの区別がないから反省がなかなか伝わらない」と述べた。

だと。「A級戦犯も死んだら仏様」は「ヒットラーも死んだら仏様」といっているのと同じ。どこの国も人にも通じまい。

ニューヨークタイムズ紙は11日、「日本は最近、高圧的な外交的態度を見せた。 韓国との葛藤に続き、中国との関係も悪化している。アジアで孤立的状況を迎えている」と報じた。同紙は、「過去の問題で隣国の信頼を得られない国は、世界の指導国家になり得ない」と批判した金三勲(キム・サムフン)国連大使の言葉も紹介した。 また「軍国主義的な過去史を美化する日本教科書問題は、国連常任理事国を目指す日本の未来にも影響を及ぼすだろう」と指摘した。
一方、英フィナンシャルタイムズ紙は11日、先週末に中国各地で行われた反日デモは、大多数の中国人が日本に感じている深い敵対感と疑心の表出だ、と報じた。

らしい。

NV-CLUB ONLINEの辰巳渚の「ニュースのつぼ」では、

報道でも分析されているように、社会不安や不平等感といった感情を「反日」というわかりやすいはけ口にぶつけている現象であって、政府としては矛先がかわされている以上、「なまじ押さえ込まないほうがよい」と放任しているのがじっさいのところではないか。

と。日本では、今回の反日デモをこのように思っている人が多いようだ。

pandanokuniさんの「ぺきん日記」では、

多くの皆さんは「中国側の謝罪や賠償はどうなってんだ」「そっちのほうが先じゃないか」と更に怒りが増しているのではないでしょうか。私個人も同感なのですが、いまはちょっと無理のような気がします。中国の外務次官・武大偉さんがきょう(4月18日)、外国人記者団に「日本が先に謝罪すべき」と言明したそうです(Sankei Web)。中国政府当局が国内と国際的立場を維持するために、必要な条件ということで一致しているのではないでしょうか。
1999年NATO軍(アメリカ)によるベオグラードの中国大使館の誤爆事件で、北京のアメリカ大使館は反米デモ隊にかなりの仕打ちを受けています。このときはアメリカが損害賠償を求め、中国は拒否する姿勢をとり続けましたが、2年後には秘かに(中国人民にはあまり分からないようにして)賠償金を支払っています。もちろんその前には、その原因となった誤爆に対して、アメリカが謝罪し中国が支払うことになる賠償金の10倍くらいの賠償金を支払っているのですが。
ベオグラード誤爆事件のときとは事情が大きく違いますが、まず根本原因について問題を解決し、それによって発生した事象について解決を図る、というのが中国の方針なのでしょう。

と。そうだと思う。

日経の社説に、

われわれは小泉首相A級戦犯合祀(ごうし)のもとでの靖国神社に参拝することに反対してきた。首相の参拝は日本が「戦争で中国国民に重大な損害を与えたことへの責任を痛感し、深く反省する」とした国交正常化時の共同声明の精神に反する、という中国の主張にも耳を傾けるべきだ、と考えるからである。
中国の民衆がこれほどの不法行為を繰り返しているにもかかわらず、諸外国メディアの多くの論調が日中双方の責任を問うていることは象徴的である。小泉首相にはいま一度、自らのアジア政策を包括的に説明してもらいたい。

とある。同感。

日経に「上海市、デモ被害の料理店などに補償の意向」という記事があった。上海市当局の関係者が被害に遭われた同店を訪れ、補償に関する申請書の提出を求めたという。