NHKニュース「2号機プールの冷却装置完成」
東京電力福島第一原子力発電所2号機では、原子炉建屋に充満した水蒸気が作業の妨げになっていますが、その発生源とされる使用済み燃料プールを冷却する循環型の冷却装置が完成し、試運転が始まりました。事故のあと、外部からの注水で冷却を続けていた1号機から4号機の燃料プールで、循環型の冷却装置が完成したのはこれが初めてです。
福島第一原発2号機の原子炉建屋は放射線量が高いうえに湿度が99.9%と高く、防護服やマスクを着用して作業するのが難しい状況です。2号機では、使用済み燃料プールの冷却を数日おきに、1回50トン程度の外部からの注水で行っていて、水温が70度前後と高いことから、プールからの水蒸気が湿度が高くなる原因とみられています。東京電力は、燃料プールを常時冷却して水温を十分に下げるため、燃料プールで温められた水を熱交換器で冷やして再びプールに戻す循環型の冷却装置を設置し、31日から試運転が始まりました。東京電力では、この装置で、70度前後あるプールの水温を1か月後に40度程度に下げることができるとしていて、原子炉建屋の湿度が下がったあと、今度は放射性物質を取り除く設備を設置することにしています。事故のあと、外部からの注水で冷却を続けていた1号機から4号機の燃料プールで、循環型の冷却装置が完成したのはこれが初めてで、東京電力は1号機と3号機では来月、4号機では7月にも、同じような冷却装置を稼動させることにしています。