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子育ての日々の断片を書き綴る

現代ビジネス『現職経産官僚が緊急提言 古賀茂明「東電破綻処理と日本の電力産業の再生のシナリオ」

現在政府内で補償金の支払いスキームを検討しているが、東電の支払い能力をどう査定しているのかが全く不明である。これだけの大規模な会社で子会社も多数保有している企業の価値を算定して行くためには多数のプロを使っても優に半年はかかるのが普通だ。仮に帳簿上の計数のみを使って、東電の支払い能力を査定しているとすれば笑止千万である。その結果を国民負担として押し付けるとすれば、その神経が疑われる。
国民に負担を強いるのであれば、厳格なデューデリジェンスを経た上で、プロの作る事業再生計画によって将来キャッシュフローを最大化する努力をしたうえで、その額を確定すべきである。それをせずに政治判断で確定しようとするところにもともと無理がある。プロによる事業再生スキームを使うことにより、内閣も安心して国民に対して説明ができるはずだ。このスキームの方が、政権にとっても受け入れやすいはずである。
今のまま進めば、東電・銀行・官僚が恣意的に作った数字を前提としたスキームで、その責任だけを内閣に押し付けることになる。国会で追及された場合、簡単に立ち往生して命取りになる恐れがある。透明で説得力のある手続きで専門家の知恵に裏打ちされた案を提示するしか解決策はないのではないか。