NHKニュース「製造やこん包の段階で混入か」。
去年12月28日からことし1月22日にかけて、中国から輸入された冷凍ギョーザを食べた千葉県と兵庫県の3つの家族の男女10人が下痢やおう吐などの中毒症状を訴え、このうち5歳の女の子が、一時、意識不明の重体になりました。問題の冷凍ギョーザは、中国・河北省の天洋食品が製造し、東京・品川区の「ジェイティフーズ」が東京・港区の商社「双日食料」を介して輸入、全国の生協やスーパーなどで販売されたもので、「CO・OP手作り餃子40個560g」と「中華deごちそうひとくち餃子」の2種類です。警察が鑑定を行った結果、千葉県市川市では被害者が食べて吐き出したギョーザやギョーザの入っていた袋から有機リン系の殺虫剤の成分「メタミドホス」が検出されたほか、兵庫県高砂市でもギョーザの袋から同じ成分が検出されました。「メタミドホス」は毒性が強く、体重50キロの人でおよそ1.5グラムが体内に入ると死に至るおそれがあるということです。これまでの調べで、ギョーザの入っていた袋に意図的に穴が開けられた形跡がないことなどから、警察では、中国の工場で製造し、こん包する段階で殺虫剤の成分が混入したものとみて、被害者が食べ残していたギョーザの精密な鑑定を行うなど解明を進めています。
NHKニュース「回収対象 家庭用は25品目」。
回収の対象になっているのは以下のとおりです。▽「ジェイティフーズ」では、中毒症状が出た「CO・OP手作り餃子40個560g」と「中華deごちそうひとくち餃子」の2品目に加え、同じ工場で作られた「お弁当大人気!ミニロールキャベツ」、「お弁当大人気!豚肉のごぼう巻き」、「お弁当大人気!2種のソースのロールキャベツ」、「お弁当大人気!豚肉の3色野菜巻き」、「CO・OP本場中国肉餃子30個540g」、「CO・OPとろ〜り煮込んだロールキャベツ2個×2袋入」の6品目です。問い合わせ先は、0120−700−642です。▽「加ト吉」では、同じ工場で作られた冷凍食品「Sごっつ旨いチャーシュー6枚入りラーメン」、「ごっつ旨いチャーシューメンとんこつ」の2品目です。問い合わせ先は、0120−087578です。▽「味の素冷凍食品」では、同じ工場で加工された味付きの牛肉カルビを使った冷凍食品「ピリ辛カルビ炒飯」1品目です。問い合わせ先は、0120−303010です。▽「江崎グリコ」では、同じ工場で作られた冷凍の豚カツを使ったレトルト食品「DONBURI亭かつとじ丼」1品目です。問い合わせ先は、0120−917−111です。▽「マルハ」では、同じ工場で加工された牛肉を使ったレトルト食品「金のどんぶりお手軽一品!牛丼110g」、「金のどんぶり牛たま丼180g」の2品目です。問い合わせ先は、0120−170811です。▽「カネテツデリカフーズ」では、同じ工場が原材料を加工した「牛すじ串(赤身)6串」、「赤身牛すじ肉5串」、「赤身牛すじ肉3串」、「穫れ処旨牛すじ肉5串」の4品目です。問い合わせ先は、0120−227−379です。▽「神戸物産」では、同じ工場で作られた冷凍食品「豚お好み焼き」、「牛丼」、「豚丼」、「焼肉丼」、「カツ丼セット」、「酢豚セット」、「お弁当ミニロールキャベツ」、「豚肉の3色野菜巻き」、「牛すじ串メンブレン」の9品目です。
時事ドットコム『中毒ギョーザ、「農薬検出せず」=日本に専門家派遣へ−中国』
中国国家品質監督検査検疫総局は31日、北京で記者会見し、日本で中毒問題を起こした中国製冷凍ギョーザは昨年10月の製造後、輸出前の残留農薬検査に合格、同日未明に緊急実施した当時の製品サンプルの検査でも、有機リン系薬物「メタミドホス」は検出されなかったとの暫定調査結果を発表した。今後も「所定の手続き」(同総局)に従って調査を継続するほか、一両日中に専門家を日本に派遣し、問題を共同で究明するため協議する。
中国当局は日本側の通報を受け、30日から製造元の「天洋食品」(河北省)に対する調査に着手するとともに、製造と輸出停止、製品の自主回収を命じた。刑事事件の可能性もあり、警察当局も捜査に乗り出した。迅速な対応は中国製品・食品の国際的なイメージの悪化を懸念したためとみられる。
検疫総局によると、問題を起こした冷凍ギョーザは昨年10月1日と同月20日に製造。輸出前に白菜、ショウガなど原料についてメタミドホスを含む残留農薬の検査を実施。いずれも問題はなく、製造・加工の記録は完備していたという。検疫総局は工場内の衛生状態、作業員の手順など詳細をさらに調査する方針。
天洋食品は製品の対日輸出を1996年から開始。2004年8月に日本側の検査で肉製品から基準を超える大腸菌が検出され返品となったほかは、製品問題を起こしたことはなく、検疫総局の当局者は「生産管理システムは極めて整っており、品質も良い」と述べた。