from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

先天性障害児増大

NBonline北村豊の「中国・キタムラリポート 中国のアブナイ環境(その2)〜30秒に1人“先天性障害児”が誕生」。  

2007年1月11日に中国が発表した「国家人口発展戦略研究報告」によれば、中国では毎年80万〜120万人の先天性障害児が生まれており、これは新生児総数(約2000万人)の4〜6%を占めているという。中国では毎年肉眼で確認できる先天性奇形児が20万〜30万人生まれているが、これに出生後数カ月あるいは数年で欠陥が認められる先天性障害を含めると、その総数は80万〜120万人に上るというのである。しかし、調べてみると、2002年7月20日付の人民ネット日本語版にも「先天性障害児、中国で毎年80万〜120万人が出生」と同じ数字が掲載された記事があり、この記述は4年以上前のデータに基づくもので、現在の数字はもっと増大しているものと思われる。
「中国婦幼衛生監測ネット」のモニタリング結果でも、2001〜2006年の全国における“出生欠陥”の発生率は、出産1万件当たりで104.9、111.2、129.8、128.4、139、145.5と急激に上昇している。年間に120万人の先天性障害児が出生しているということは、ほぼ30秒ごとに1人の先天性障害児が出生していることを意味するが、その間隔は年をおうごとに短くなっている。
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2004年12月7日付の新聞「南京晨報」は、2004年1〜11月において先天性障害児の出生率が以前に比べて増大しており、その主要原因は環境汚染で、とりわけ室内汚染に起因するものの増大が顕著であると報じた。南京大学現代分析中心の室内環境検査測定所が事務所や住宅など300カ所を測定した結果、室内のホルムアルデヒドが基準値を超えたものが90%、ベンゼンを含む揮発性有機化合物(VOC)の基準値超過が85%、ラドンや石材、磁器の放射性が基準値超過あるいは安全値に近いものが10%を占めていた。このような生活の中に潜む“危険要素”も胎児にとっては先天的欠陥の発生をもたらすものである。
これら有害物質を含む建材なども生活水準の向上に伴い増大したものだが、利益至上主義で基準値超過を一顧だにせず、健康被害をもたらす製品を製造する業者がいかに多いかが、ホルムアルデヒドやVOCの基準値超過比率の異常な高さに表れている。