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子育ての日々の断片を書き綴る

一人っ子政策の歪み

中国情報局

中国国家人口計画出産委員会によると、中国における男女の自然出生比率が119.9:100となり、男性比の正常値である106を大幅に上回っているという。5日付で新華社が伝えた。
第5回全国人口普通調査の結果、中国全土の5省で女性100に対し男性が130を超えて、男女比率の不均衡が深刻化していることが明らかになった。
中国の農村部では、男の子をほしがる傾向が強い。それほど機械化されていないために、肉体労働力として男性が求められることや、「男尊女卑」という伝統観念が根強く残されていることが原因だ。
しかも、社会保障の整備が遅れているため、たった一人だけ許された子が女の子だった場合「いったん嫁いでしまえば、実の両親の面倒をどこまで見てくれるのか」とい不安もつきまとう。
しかも現在の医療技術では、妊娠してからかなり早い時期に、胎児の性別の判定ができる。中国では非合法とされるケースが大部分だが、それでも両親が「裏」で性別の鑑定を依頼し、女の子だとわかったとたんに人口妊娠中絶手術を行なうケースが続出している。
政府は「中華人民共和国人口計画出産法」「中華人民共和国母体乳児保護法」などの法整備を加速。男女比率の不均衡を解消して、女児の権益保護に注力している。
しかし、たとえ国家としてやむをえない事情があったのだとしても、「一人っ子政策」がきわめて「人工的」な手段であるだけに、そのひずみはなかなか解消できないのが現実だ。

「中国における婦人の国家社会管理への参加状況が向上し、10年来地方の人民代表大会の73.4パーセントが女性の代表である。全国人民代表大会においては女性の代表がずっと20パーセント以上を保っている。全国人民代表大会常任委員会副委員長の内3人は女性である。」(中国特快焦点から)というのに。