DIAMOND online「上杉隆:歴代首相が鳩山総理を“脱税王”と追及できない理由」から。
11年前、党首討論で鳩山首相と対決した小渕首相の政治資金管理団体は、小渕氏の死後、その後、衆議院議員に当選した次女の小渕優子氏に無税で引き継がれている。筆者が調べただけで政治団体を迂回させる方法で、約1億2千万円もの資金が無税で相続されたのだ。
その後の森元首相も同様だ。石川県議の長男に対して、自民党石川県連を通じて、特別扱いともいえる資金提供を行っている。
小泉純一郎元首相も例外ではない。次男の進次郎衆議院議員に自らの政治資金管理団体を名義を変更するだけで、実質上はそのまま受け渡している。
安倍晋三元首相はもっと悪質だ。父・晋太郎外務大臣が死去した際に残した約6億円の遺産について、相続税・贈与税を払った形跡はない。派閥に残ったカネのすべてとは言わないが、現在に至るまでそのほとんどの使途と存在について沈黙を続けている。
福田元首相も同様だ。父・福田赳夫首相が選挙区を譲るとき、不動産も含めた資産を政治団体経由で長男である康夫氏に渡している。