from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

ワイドショー受けパフォーマンスで勝つ

萬晩報『小沢一郎氏の「みかん箱」とワイドショー』。

民主党公認候補が1000票弱の僅差で自民党公認候補を下した衆院千葉7区補選(4月23日投開票)で、最も印象的なTV映像は何だったでしょうか。自民党民主党の候補者ではありませんでした。最も印象的な映像は、告示日における自民党小泉純一郎総裁(首相)と民主党小沢一郎代表の街頭演説でした。
告示日の街頭演説で、小泉氏と小沢氏は極めて対照的なパフォーマンスを見せました。小泉氏は人の集まりやすい繁華街で演説しました。選挙で小泉氏が演説すれば、黙っていても人が集まります。
一方の小沢氏は、あえて(意図的に)人の集まりにくい場所を選びました。田舎のどうといった特徴のない場所で、少数の人の前で「みかん箱」(正確にいうとビールケースか農業用のコンテナ箱だったでしょう)の上に乗って演説しました。
新聞は、こうした「情緒的」な情景をもはや克明には模写しなくなりました。当事者が意図的に設定した状況にのせられないためです。しかし、TVにはどうしても映像が必要になります。TVはニュース枠でも、ニュースショー枠でも、そしてワイドショー枠でも頻繁に小泉氏と小沢氏の街頭演説の映像を流しました。
ニュース枠、ニュースショー枠、ワイドショー枠と、映像が繰り返される頻度は拡大します。しかし、政治側からの「偏向」批判を受けて、扱う時間はほぼ公平になりました。しかし、よりインパクトのある映像はどちらだったでしょうか。その答えは明らかです。小泉氏の街頭演説に多くの人が集まるのは、もはや当たり前です。「ニュース性」はありません。
しかしです。小沢氏が人の集まらない場所で「みかん箱」の上に乗って街頭演説したことは、「サプライズ」です。田中角栄元首相の直系で「こわもて」政治家と評価される小沢氏が「みかん箱」の上に乗ること自体がニュースになります。