from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

改革偽装

内橋克人ライブドア 強制捜査 錬金術を政治があと押し」から。

堀江貴文小泉政治はウリふたつの「合わせ鏡」だ。「努力したものが報われる社会を」と叫び続けた怪しげな政治スローガンの真意が、実は一攫千金の成金や富裕層優遇を正当化するレトリックに過ぎなかったことが、ケタ違いの「報われ方」を享受したホリエモン錬金術によって暴露された。
グローバル・スタンダード」なる言葉が、社会規範や節度、倫理を足蹴にする免罪符としてと使われた。法の不備を突く魂なき知略に「時代のヒーロー」の称号を与えたメディアに恥じるところはないのだろうか。
問題の根元は小泉政治にある。昨年の総選挙で、一国の総理がホリエモン流儀を「若者の模範」といい、武部幹事長、竹中現総務相らは、選挙区で「刺客」に声を限りの熱狂的声援を送り続けた。
「ひとの心もカネで買える」、「社会保障など不要」と政策を競う重大な選挙戦のさなかに公言する「怪しげな錬金術師」に、自民党は破格の「市民権」を与え、ホリエモン流儀を見習うべきモデルとして社会化するのに一役買った。小泉首相の標榜する「格差ある社会は活力ある社会」との政治スローガンを、1人の世俗的成功者の実践例で立証し、「誰でも努力さえすればホリエモンになれる」と喧伝したに等しい。新自由主義改革の本性もそこにある。
いま一世を風靡する市場至上主義のの行き着くところ、「ウィナー・テイクス・オール (Winner takes all.)」が待っている。1人の勝者が残りの敗者のすべてを奪う社会の到来だ。敗者復活の社会システムを育てず、敗北マジョリティ(多数派)を、「努力しなかったからだ」と見捨てる市場競争至上主義が「改革」を偽装している。