from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

希望の喪失

東京学芸大学教育学部教授山田昌弘さん。

ニューエコノミーは、われわれの生活を便利にするというプラス側面の一方、職業を不安定化させ、生活の見通しが立たなくなるというマイナスの面を併せ持っているのです。
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一部の人の収入は上がり希望が持てるものの、多くの労働者はフリーター派遣社員で、一生懸命に働いても昇進すらできない状況です。これは世界的傾向で、「将来が約束された中核的・専門的労働者」への分化が進行しているのです。
フリーターにインタビューやアンケート調査を行った結果からみると「組織に縛られず、好きなことをして楽しく生活する自由人」というよりも、「将来の不安にあびえているが、その不安を感じないために、実現可能性がない夢にすがっている」という姿が見えてきます。
フリーターニート、さらに自営業の跡継ぎという人たちの心理状態は、「夢はあっても希望がない状態」、つまり努力が報われるかどうか保証がなく、例えばフリーターを続けてもその先が見えず、評価されないというものです。

努力すれば報われるという気にさせてくれる社会を再構築すればいいということ。一度生きていくのが大変な大不況時代を経験すれば、たくましくなれるだろう。