from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

親切・軽税党

よく分かる郵政民営化論Blog版」から。 

金子 私は、いまの日本は生活習慣病みたいな状態だと思っています。生活習慣病というのは、すぐ死ぬわけではないが、体がだんだん衰弱していく。国民もみんなそう実感している。そんな実感があるから、治療(改革)という言葉を訴えなければ、国民の支持を受けることはできません。しかし、国民は本当に痛い治療はいやなんです。つまり、本当の改革をする政治家では困る。その点が、小泉さんが支持される理由なのではないでしょうか。
 田原 名を取って、実を取らないところが、支持されているわけですね。
 金子 そういうことです。と同時に、みんな、小泉さんは実は、やぶ医者かもしれないと、どこかで疑っている。しかし、やぶ医者でも医者にかかっているという安心感がある。本当に手術したり、ちゃんと原因を探るのは怖いんです。もしかしたら自分はガンかもしれない。そう診断されるのは怖い。そういう不思議な状況のなかで生まれた思考停止状態に、小泉さんはしっかりはまっているということだと思います。このへんの微妙な感覚が、高い支持率の背景じゃないかと思います。
 田原 僕は以前、小泉さんと菅直人さんに同じ質問をしたことがあります。それは『世界には二つのパターンの国がある。スウェーデンみたいな『高福祉・高負担』。アメリカみたいに、どちらかというと『低福祉・低負担』。言い換えれば『親切・重税党』と『冷酷・軽税党』、そのどちらを選択するのか』という質問でした。すると二人とも『親切・軽税党』ですと言うから、そういう嘘を本気で言うのかと、呆れました(笑)。
 金子 そんなインチキな話はありませんね。