from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

期待を裏切らない?

nikkeiBPnet『莫邦富の中国ビジネス指南:中国観光の新しいルートに「湖西秘境周遊コース」はいかが?』。

鳳凰。フェニックスを意味する美しい言葉を地名にしたこの町は、湖南省西部の山奥にある。
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人口40万人くらいで土家族と苗族がそれぞれ三分の一を占めるこの鳳凰は、私の期待を裏切らなかった。近年、中国では「原生態」という言葉が流行っている。つまり手付かずの自然や民俗が残ることを言う。もちろん、観光ブームに沸いているいまの中国では、鳳凰も100%「原生態」のままではない。しかし、上海の周荘などの観光地と比べれば、まだ原生態にかなり近い自然や民俗が豊富に残っている。観光シーズンが来る前もあって、観光客はまだ少なかった。小雨に濡れて鈍く光る石畳の路地に沿って、町中を右へ左へと足任せで歩き回った。沈従文の作品に描かれた「吊脚楼」という高床型の伝統住宅、その前を流れる清流、清流の水面を悠然と滑っていく鵜飼いの船とその後を追っかけるアヒルの群れ、遠くには黛の山々……、古い町に懐かしい匂いを嗅ぎだした私は興奮し、その風景にほのかな陶酔感を覚えた。
そこでこの旅行にのめりこんだ私は、帰途を利用して同じ湘西苗族土家族自治区にある王村を訪問した。そこでも感激と満足を体感できた。王村と言っても、ほとんどの日本人はピンと来ないだろうと思う。映画『芙蓉鎮』を観た日本人なら、説明しやすい。『芙蓉鎮』のロケ地がまさしくその王村だ。しかし、王村はすでに昔の地名になった。いまや芙蓉鎮と町の名を改めた。
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今回の湖南省の旅行を通して感じたことは、長沙→桃花源(常徳)→張家界→芙蓉鎮→鳳凰→洪江という秘境的な要素ももつこの周遊コースが、新しいツアー商品としても個人旅行商品としても十分すぎるほどの商品価値をもっていると思う。