from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

非電化

nikkeibp.co.jp『電気を使わない「非電化」という選択肢(前編)』。

ナイジェリアではオレンジの季節になると、消費しきれないほどの果実が実る。しかし、ナイジェリア国内ではすべてを消費できず、その8割がたを腐らせていた。
その一方で、シーズンオフには国外(特に欧州)から高価なオレンジジュースを輸入しているという現実がある。ナイジェリアはお金持ちどころか借金大国なのだが、ジュース産業がないばかりに、こうした矛盾が生じていた。困り果てたナイジェリア政府は、国内にジュース産業を育成すべく、ジュースの輸入を禁止し、先進工業国からジュース製造工場の技術導入を図ろうと考える。
「先進国で稼働している最新鋭の工場をつくることでもたらされるのが何かというと、実は濃縮還元のまずいジュースであり、オレンジの酸の影響を受けかねないペットボトル入りのジュースであり、電気や化学薬品を大量に使用することに伴う環境汚染なのです。しかも、最新鋭の工場はほぼ全自動化されていますから、仮にそのジュース工場をナイジェリア国内に誘致したとしても、新たな雇用は発生しません。ナイジェリアの失業率は6割ですから、全自動化する意味がないでしょう。すると、どうなるでしょう? 結局、輸入品よりも高いジュースを生産することになり、輸入ジュースより売れず、新規雇用も発生せず、さらに借金がかさんでしまう可能性が大きいわけです」(藤村氏)。
そこで藤村氏がナイジェリア政府に提案したジュース工場のプランは、その正反対の内容である。絞った果汁は煮沸せずに、約70℃でゆっくりと殺菌。あらゆる工程は自動化せずに、手間をかけて製造する。それ故に、おいしくて安全なジュースができるし、電気や化学薬品等を使わないので環境にも優しく、5年間で6000人もの雇用が見込まれるというモノだ。さらに、そうして製造したジュースの価格は輸入品より安い。藤村氏のプランでは、そのようなジュース工場をつくることで、5年後には借金を返済でき、6年目以降は“貯金”も可能だという。