from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

教育再生(1)

東京新聞私たちの「美しい国へ」 <2> 学校の知識 知恵に変換」から。

昨年、教育改革を最重要課題に掲げる安倍政権が誕生し、改正教育基本法が成立した。「ダメ教師」を辞めさせる教員免許の更新制度や教育バウチャー制度など、国が主導する教育改革が進もうとしている。藤原には、どう映るのか。
「どんなに法律をよく改正しても現在の運用レベルでは何も変化は起きない。今の教育現場の問題は、法律と制度ではなく、運用が悪いんです」。そして「この辺にいる人たちは…」と手を頭の上に挙げ、続ける。「運用のことが分からないから、法律と制度をまた変えるでしょ。すると、また現場は混乱する」
指導力が低い教員がいることは藤原も認める。同時に教師の能力を引き出すこともできると力説する。
「ある学校で出たよい知恵が、ほかの学校に瞬く間に波及することが起きなくなっている。教育現場の機能低下だ。原因の一つは、学校が地域社会と家庭の役割まで期待され、事務量が膨大に増え、教師が忙殺されていることだ。教師の仕事をシンプルにして、授業と部活を中心とした生活指導に九割の力を注ぐことができれば、七割くらいの教員はよみがえると思う」
和田中には、ボランティアの大学生が生徒の勉強をみる「土曜寺子屋」、住民・保護者が図書館運営などを分担する「地域本部」がある。教師を授業と生活指導に専念させ、生徒に社会とのかかわりを実感させる狙いがある。こうした学校運営は校長が担う。だからこそ、藤原は「校長の質」の改善を訴える。
「全国の公立中約一万校のうち、三千校くらい校長を代えないといけない。校長は、教頭という非常にハードな仕事に耐えた人の『上がりポスト』で、そこにあぐらをかいている人が大半だ。これを許していては、日本はダメです」