from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

オランダ社会

小林恭子の英国メディア・ウオッチ「オランダ ゴッホ事件を追う 「移民」の側面から」。

ロッテルダム市の教育委員会の調査によれば、一九九八年で移民の小学生の比率は五十八%。これが二〇〇〇年には六十八%になった。現在では、もっと増えているだろう。「これが現実。目をつぶっているわけにはいかない」とアクブルト氏。
ロッテルダムでは移民たちは過半数になりつつある。私たちが少数民族、『小さな人』だったとき、先住のオランダ人は『大きな人』だった。段々『大きな人』になりつつある移民たちの存在を、オランダ人はどうするのか?」
オランダ政府は移民が社会に「インテグレート・統合」してゆくことを推奨している。アクブルト氏はこの点にも疑問の目を向ける。「本当は、『同化』させたいのでないか?『統合』という言葉を使っているだけなのでは?ダブル・スタンダードだ」。
「先住のオランダ人自身も価値観を変える心構えが必要だと思う」。アクブルト氏によれば、非移民の文化・価値観に移民側が合わせることを当然とする考え方は「欧州(自国文化)中心主義だ」。
テオ・フォン・ゴッホ監督殺害のきっかけとなったと言われる短編映画「服従」のプロデューサー、ハイス・ファン・デ・ウエステラーケン氏は、オランダの多文化主義は一種の幻想であるとして、「既存のオランダの法体系に、例えばイスラム教の法体系を組み込むほどには、国民は準備ができていない」と、分析する。「寛容の名の下に、衝突を避けてきたのがオランダ社会だった」

昨日来たオランダ人のKが50%を超える移民がいる社会って想像できるって言っていた。テオ・ファン・ゴッホ監督が死んだと聞いたときは涙が出て止まらなかったとも。最近は少し落ち着きを取り戻しつつあるとは言っていたが、オランダ社会が迷走していることに心を痛めているようであった。