from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

国連安保常任理事国入りを目指している「空疎な言葉の人」がアジア・アフリカ首脳会議で、

50年前、バンドンに集まったアジア・アフリカ諸国の前で、わが国は平和国家として、国家発展に努める決意を表明したが、この志にいささかの揺るぎもない。わが国はかつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた。こうした歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、第二次世界大戦後一貫して経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持している。今後とも、世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意であることをあらためて表明する。過去50年のわが国の発展は国際社会の支援があって初めて実現できたものだ。このことを忘れない。私は額に汗をし懸命に働こうとするアジア・アフリカの人々とともに歩んでいきたい。

と言った。ってことは、心改め靖国神社参拝を止めるんだろうなと中国側は受け止めようとした。でもいつも裏切られるからなあと思った。真意は首脳会談で確かめられるだろうか。どうしても靖国神社参拝をしたいのなら、JMM冷泉彰彦さんが提案しているように、靖国神社からA級戦犯合祀を取り下げるべきだね。

「空疎な言葉の人」は支離滅裂でもある。萬晩報では、

日本の小泉首相はどうであろうか。よくいえば自然体であるが、悪くいえば支離滅裂だ。国連安保常任理事国になることが日本の重要な目標であるのなら、なぜ今中国とことを構えるのか。そうしたければ日本が安保常任理事国になってからはじめればよい。
常任理事国立候補でアジア諸国の支持が必要なのになぜ領土問題で韓国を怒らせたのか。常任理事国と竹島の返還が二つの重要な国家目標であるのなら、「竹島の日」とかいう条例の制定を阻止するべきではなかったのか。というのは、この条例の制定で島が戻ってくる目標が達成されるわけでないし、韓国を怒らすことで第二の目標の達成を困難にするからである。

と。

「中国は親日的な態度を取ってきたのに、「空疎な言葉の人」はその親日サインを無視しつづけた。無視どころか、靖国問題ODA停止、李登輝来日、尖閣諸島問題、教科書問題、2+2共同宣言……と、ここしばらく日本が中国に対し続けて採ってきた態度は、かなり挑発的なものであった」と「当代江北日記」。ころっと変わって、本当に世界の国々との信頼関係を大切にする国になるのか?

今回の反日デモで大きな被害に遭われた「味蔵」さんに対して、「味蔵」の経営者の方が常連だったバーの中国人経営者が店内で募金活動を始めたという記事があった。中国人が日本人を支援することには「正直、怖いです」というコメントが載っている。親日派の中国人も住みにくくなっているようだ。

中国の王毅駐日大使が、昨日青森市内で講演し、

デモに対する認識については「ごく少数の人が過激なことをした。中国の法律に違反している。公安当局は法律に従って措置を取った」と違法行為であることを認めた。
一方、デモが起きた背景にも触れ、参加者の年代層が若く、他の年代層より豊かで日本を含めた世界に関する情報量が豊富であることを指摘。その上で「昔の歴史認識にかかわる問題について、まだ完全に解決していない」と述べ、日本側の歴史認識の影響を指摘した。

毎日新聞

在上海日本国総領事館メールマガジンで、

杭州の在留邦人より、本日(23日)朝同地にてデモが行われるとの情報に接しました。同情報によると、午前9時頃湖浜路周辺を通過する予定であるとのことです。

と知らせてきたが、デモは行われなかったようだ。

注目の日中首脳会談が終わった。現時点(11時20分)では、日経が内外記者団に対する声明として、

胡主席の主張は(1)日中双方が日中共同宣言など3つの文書の原則と精神を厳格に尊重する。実際の行動でもって21世紀の友好関係に資する。(2)歴史を鑑とし、未来に向かうという精神を堅持する。侵略戦争に対して表明した反省を行動に反映させる。中国とアジアの人民の感情を傷つけるいかなる行動もとらない。(3)台湾問題を正確に処理する。実際の行動でもって1つの中国政策を体現し、台湾独立を支持しない。(4)日中両国間の問題や意見の違いを平等、協調の精神で処理する姿勢を堅持する。(5)幅広い領域での交流を拡大するとともに、民間の交流をさらに促進する――の5点。
胡主席は最近の困難な局面を「我々はみたくなかった」とし、日中両国の対立は「アジアや世界に重大な影響を及ぼす」と述べた。

として報じ、東京新聞が「小泉純一郎首相の靖国神社参拝にくぎを刺したとみられるが、記者団には靖国問題について具体的に言及しなかった」としているが、具体的な内容は分からない。毎日新聞

小泉首相の内外記者会見が開かれたが、NHKは生中継をしなかった。海外での首脳会談後の内外記者会見を生中継しないのは異例という。NHK経営広報部は「番組編成上の総合的な判断によるもの。内容については、ニュースの中できちんと伝える」と説明している。

と。どういうことなんだろう。
NHKニュースでは、

小泉総理大臣は、「反日デモについて、中国に在外公館が保護されるように適切に対応してもらうよう要請した。胡錦涛国家主席から靖国問題と歴史問題についてそれぞれ話が出された」と述べました。

とだけ。小泉さんがどう答えかのは伝えられなかった。産経に

胡主席靖国神社参拝問題を討論する気はないと発言したため、首相も言及しなかったことを明らかにした。(共同)

とある。言うまでもないということか。

毎日新聞の記者会見要旨には、

−−自身の靖国神社参拝については。
首相 適切に判断する。

と。中国側はこれをどう伝えるんだろう。

結局、事態を先送りしただけの日中首脳会談に終わった。謝罪に見合う行動を求められているのに、どう行動するかについては何も答えなかった。小泉さんは、まもなく「あとは次のかたにがんばっていただきたい」と言って逃げる気かも知れない。