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子育ての日々の断片を書き綴る

殺虫剤混入餃子(4)

日経ベンチャーonline「中国産冷凍ギョーザの落とし穴はこうして避ける」から。

冷凍ギョーザ事件の舞台となった天洋食品は、工業団地にある典型的なスタイルの中国の工場です。工業団地の従業員の多くは、農村出身の22歳以下の未婚若年農民工(農村からの出稼ぎ労働者)で、工場内の寄宿舎(普通は、一部屋に4人〜8人くらい)から同じ敷地内の工場を行き来するという生活を送っています。
とりわけ、食品の加工の現場は単純労働を要求されるため、技術習得や能力向上のインセンティブが弱く、労働者は他に賃金条件のよい工場があればすぐに転職してしまう傾向があります。
天洋食品と同じく河北省石家荘市の工業団地にある食品工場の従業員を対象に行われた最近の調査によると、6カ月以内に30%以上、1年以内で60%以上という極めて高い離職率が報告されています。労働者のこうした行動からは職業観や企業所属意識などが形成されにくく、さまざまな問題が発生しやすいといわれています。
加工食品、家電など、日本の企業が中国の工場に生産委託している最大の理由は、低賃金労働者を使った安価な手作業生産コストです。しかし、手作業であるがゆえに、「たったひとりのワーカーの不注意やミスがすべてを台無しにする」という、大きな落とし穴が常に存在することを忘れてはなりません。
最近続発している家電製品の製品不良でも、電気回路の「ハンダ付け」という単純な手作業工程を担当する一人の労働者が指示を守らなかったというだけで、完成製品が「発火の危険がある製品」となり、日本で販売済みの全数量が回収命令の対象になるというケースが続出しています。