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子育ての日々の断片を書き綴る

北朝鮮の核実験(2)

JMM『「優先度の低い北朝鮮問題」From Kramer's Cafe』。

米国は北朝鮮の核がテロリスト等へ渡る拡散問題を懸念しているが、日本は自国への脅威として捉えているため北朝鮮の核化自体が受け入れられないという立場だ。一方韓国は将来的には北朝鮮を吸収することを視野に入れ、統一されたときに核を持つことも悪くないと考えているといわれており、中国は日本がこれをきっかけに核武装に走ることを最も恐れている。
今回の北朝鮮核実験報道に対する一般の反応はどうだろうか。日本の外側ではどのようにこの問題を捉えているか興味深いと思われるので、ワシントンポスト紙のブログで「北朝鮮は罰せられるべきか?」との問いに米国及び世界各地から書き込まれた意見をいくつか拾ってご紹介しよう。
まず多くはブッシュ政権の外交失敗を挙げている。例えば「体制転覆を掲げるブッシュ政権の方針は、北朝鮮からみれば体制の消滅を前提にした交渉となるため成り立たない。脅されたり国の存続への脅威があれば死に物狂いで抵抗するのが普通だろう。北朝鮮の存在する権利を認めることが早道。北朝鮮やイランの非妥協的態度はブッシュ政権の柔軟性を欠く態度を反映している」
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また、北朝鮮の核をもつ権利については「しょうがない」という意見が多い。例えば「なぜ北朝鮮を罰しなければいけないのか。私たち(米国)や英国やフランスは常々核兵器は偉大な抑止力になると主張してきた。"悪の枢軸国"イラクを侵略した時点で北朝鮮やイランが核を持とうとしたことに何の驚きがあるだろうか」。「なぜ北朝鮮を罰するのか。北朝鮮核兵器を誰かに対して使ったのか? 核保有国である大国こそもう一度鏡に映して自分達の間違った方針を考え直すべきだ」。
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日本国内ではどのような現実的解決方法の議論が展開されるのだろうか。国連決議に先駆けて実質的な効果は少ない追加制裁という強攻策に踏み切った以上、最悪の状態にも対処できるよう覚悟する必要があるだろう。北朝鮮核問題解決へのムチは示されたが、日本のアメは何なのか。安倍政権は米国が期待する「対等」な同盟国となって「柔軟性に欠けた」と批判されたブッシュ政権の教訓を活かすことができるだろうか。