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子育ての日々の断片を書き綴る

北朝鮮の開城工業団地

ABC Magazine「ブッシュ大統領、北朝鮮内の開城工業団地を訪問か」から。

開城はソウルから北へ70キロ、国境から15キロの地点にあり、朝鮮半島最初の統一国家を建設した高麗王朝(918−1392年)の首都として500年もの間、栄えたが、朝鮮戦争で戦場となり、徹底的に破壊し尽くされ、分断の悲劇を味わった因縁がある。
現代グループが中心となり、ここに一大工業団地を建設する計画が南北両国から正式に承認されたのは、2000年8月。団地内を特区として、韓国の企業が北朝鮮の安い労働力(1カ月6000円)を活用し、一大加工生産基地を建設、やがては、外資も誘致、北東アジア最大の経済・物流拠点にする計画。最終的には、2000万坪の用地に1000社が進出、北朝鮮の72万人の雇用を吸収するという。
すでに、第1期計画(敷地100万坪)のうち、敷地2万8000坪のモデル団地に縫製加工、サンダル・ゴム靴製造など韓国企業13〜15社が今年半ばまでに操業開始する。
先陣を切って、昨年末、厨房機器メーカーが3個1組の鍋1000セットを約4000円でソウル市内のロッテ百貨店で売り出したところ、2日間で完売した。午後2時に製品を満載したトラックが開城を出発、国境を通過し、夕方には売り場に並んだというから、いかに近いかがわかる。
ソウルのアパレル業者が集積する東大門(トンデムン)市場の業界団体は、開城に2〜3万坪の用地を確保、2006年にも1000社が入居するファッション・ビルを建設、約7000人の労働者を雇用する計画を進めている。
高層ビルに、平均9平方メートルの衣料品店が約3万店もひしめき合い、観光客も群がる東大門市場は、中国製品も多いが、最近は中国の人件費の上昇が悩みの種。いずれは、ファッション・モールも建設し、観光客もひきつけようという構想もある。
サムスン電子も進出するのではないかという噂も囁かれているが、同一言語で中国より安い労働力が使え、しかも、近いという条件がそろうだけに、韓国企業の間で、雪崩現象的に開城進出の動きが加速される情勢だ。