from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

今だ開戦前夜

小林恭子の英国メディア・ウオッチ:「新聞の新たな挑戦」−メディア・イベントより-1』より。

9月28日、読売新聞が主催した「メディア・フォーラム:新聞の新たな挑戦」というイベントが、東京で開催された。
・・・・
米英及び日本でも若年層の新聞離れ、ネットの影響、といった課題を抱えているが、このイベントで議論を聞いた限りでは、ロンドン・英国では新聞の戦争が起きており、米国では試行錯誤ながらも走りながら考える形でどんどん進んでいる、といった状況が伝わってきた。一方、日本は、「夜明け前」というより、「今だ開戦前夜」のような印象を受けた。
・・・・
シカゴトリビューン」オーシア氏: 米新聞業界では、読者層をいかに増やすか、またフリーペーパー対有料紙の戦いが問題になっている。わが新聞も例外ではない。
若い読者層が育っていない。若者たちはネットやフリーペーパーで新聞を読むからだ。何もしないと、読者数は減少するばかりだ。既存の読者はまじめな、深みのある記事を求めている。若い人はセックスがらみの記事、短い記事を好む。
・・・・
滝花読売社長:日本は宅配率が高く(約90%)、フリーペーパーの参入は、難しい。東京でもメトロの発行の動きが5年ほど前にあったが、成功しなかった。英米のように、新聞社自体がフリーペーパーを出す、という動きはまだない。しかし、便利さの面の動きから、出る可能性もある。

CNET JapanWikipediaがプロの物書きを超える?--米エスクワイア誌の挑戦」から。

米国「Esquire」誌のライターA.J. Jacobsは、配布/編集が自由なオンライン百科事典「Wikipedia」について記事を書こうと思い立ち、画期的なアプローチを取ることにした。Wikipediaに関する低俗で間違いだらけの記事草稿を同サイトに投稿する、それがJacobsの試みた手段だった。
・・・・
記事の編集に際して、WikipediaコミュニティはJacobsが示したガイドラインに従った。Jacobsいわく、「Esquireに掲載するのにふさわしいよう、パンチの効いた文体で執筆してほしい。雑誌の特集記事なので、いかにも百科事典という雰囲気の原稿は好ましくない。Wikipediaと異なり紙媒体として出版する記事であることを意識して、単語数は元原稿に近いものにしてもらいたい」
・・・・
「実にすばらしい実験だ。Wikipediaコミュニティの奮闘には目を見張ってしまう。すべての事実誤認が瞬く間に正され、その後は、文章を洗練し明晰にして、読みやすい記事に編集することに重点が移っていった」(Baio)
今回の実験は、雑誌と読者の協力がより完成されたジャーナリズムを生み出せることを示す好例だと、Walesは考えている。
「何に関するものであれ、実際の記事とうまく連動していけたらおもしろいことになるだろう。例えば『TIME』誌などが選挙中に記事を執筆して、その編集に人々が関われるようにすれば楽しいのだが」(Wales
Walesはしかし、報道機関は自分たちの仕事にどのような人々の関与を許すのか、慎重に検討する必要があるとくぎを刺す。