from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

悲惨農業

nikkeibp「悲鳴を上げる中国農業 ある教授が農村で目にした“悲惨な病理”

高橋 北の方は河川灌漑が少なく、ため池が多いのですが、そのため池がかなり汚れていますね。現場に行くと驚きますが、ため池全体をアオコが覆っており、水が全く見えない。そこに、ホースを突っ込んで、ポンプで揚水し、畑に水をまいている。その水は、本当に悲惨なものですよ。
中国の農村はほとんど浄化設 備がありません。そのため、油、石鹸、洗剤、雨水、し尿などが一気にため池に行ってしまう。アオコが繁茂しているのはため池の富栄養化が甚だしいため。悪臭もすさまじい。そういう水を畑にまいているんですよ。
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高橋 慣れとは恐ろしいものですね。汚染でいうと、長江もひどいものですよ。上海の河口に行くと、ゴミだらけ。上流から流れてきたゴミがたまっている。それから、上流の武漢には遊覧船がありますが、その遊覧船では観光客が食べた食べ残しをそのまま川に捨てていた。食べ残しがたくさん出ますよね。それをウェートレスがテーブルクロスごと丸めて川に捨てるんですよ。
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中国の農村に野壺はなく、し尿がたまった穴があるだけ。このままでは、人糞は発酵しません。発酵しないということは、病原菌や寄生虫の温床になっているということ。それをそのまま畑にまくわけですから、土壌では細菌などが繁殖していく。
そうすると、その雑菌を殺菌するために、様々な農薬が必要になる。中国農業は農薬の大量使用が批判されていますが、農薬漬けの背景には人糞肥料の問題がある。化学肥料を抑えるために人糞肥料をまく。雑菌を殺すために農薬をまく。そうすると、土地が荒れるので、化学肥料が必要になる。すると、ますます土地は荒れていく。生産量に影響が出るので人糞をまく。そして、土は汚れていく。